6.④

男性 「よっ!美乃里」

美乃里 「休日なのに暇人?」

男性 「美乃里も一緒じゃーん」

美乃里 「私は暇じゃないから。どう見ても!

ごめんだけど最高の休日を堪能してるのでどこかへ行ってくださーい」

男性 「みのちゃんは相変わらず別れた男には冷たいなぁ」

美乃里 「そりゃぁ別れてるからね

1度別れた人とはもう関わりたくない性格なんで」

(この人は3ヶ月前に別れた元彼、涼介(りょうすけ))

涼介 「そんな事言わずにさ、もう1回チャンスちょうだいよ」

美乃里 「ストーカー被害で警察呼ぶよ?」

涼介 「ストーカーじゃなくて俺もここの常連なの

俺だってここのカフェが好きで、美乃里と良く来たこの場所で最高の休日を過ごそうと思って来ただけなの」

美乃里 「ストーカーじゃん」

涼介 「あははっ、ですよね〜」


(なんだかんだ憎めなくて、2年くらい付き合って一緒にいて楽しかったんだけど

なーんか魅力がなかったんだよね〜…

価値観も合わなくなってきて

別れ話しした時に逆ギレして壁殴ったり、ご飯の食べ方が汚かったり、部屋に3日前のカップラーメンがあったり、同じ服着てたり…

上げればキリがないんだけど

極めつけは仕事が記者で、プライベートでもなんか取材されてるみたいで

過去知りたがるし、家族構成知りたがるし

そう!とにかく知りたがり、噂大好き情報大好きなの

って事でめっちゃ悪いやつでも無いんだけど

なんか彼氏としては無理になったんだよねー

それでも涼介はまだ好きらしいよ、こんな拒絶してる私のことを

それはどうもどうもありがとうございます

って感じなんだけど…)


涼介 「今日、この後どっか行く?」

美乃里 「…」

涼介 「俺空いてるし、買い物でも行く?」

美乃里 「…」

涼介 「みーのーりーちゃん?」

美乃里 「…」


男性 「あれ?美乃里ちゃん?」

美乃里 「え?」

美乃里は本を読んでいて俯いていた顔をあげる

内心はとてもびっくりしていた


雅紀 「昨日はありがとね〜」

美乃里 「ま、雅紀くん?

こんなとこで会うなんて偶然ですね」

雅紀 「本当に!彼氏さんですか?こんにちは〜」

涼介 「彼氏です、どうも〜」

美乃里 「元ね!」

美乃里は涼介に満面の笑みを見せる

雅紀 「元彼な〜安心した〜

俺は珈琲飲みたくて探してたらたまたま美乃里ちゃんに似た人見つけて飲み物買いがてら寄ってみたらやっぱり美乃里ちゃんだ!ってなって声掛けちゃった

急にごめんね、びっくりさせちゃったよね」


(安心した?どーゆう意味だ?昨日合コンに来てたのに彼氏いたらダメじゃん?って事への安心?

それとも俺が話しかけちゃって彼氏だったらどうしよう?でも違ったから安心?

てゆうか、昨日ほとんど携帯ばっかり見て喋らなかったのにこの饒舌ぶりはなに?

この人何個キャラがあるわけ?

私に好意がある様には全く思えないんだけど

なんか、掴めない…)


美乃里 「少しびっくりしましたけど…雅紀くんは1人ですか?」

雅紀 「1人だよ〜俺もここ座っていい?」

涼介 「あ、ごめんなさ〜い、俺たち今 取り込み中で

昔の内緒話の途中なんで」

美乃里は涼介を呆れ顔で見る


雅紀 「そっか、そっか邪魔してごめんね

あ、美乃里ちゃんさ今日の夜とか予定ある?

一緒に夕食でも食べに行かない?」

美乃里 「大丈夫ですけど…」

雅紀 「やったァー」

涼介 「俺も誘ってますよね?」

満面の笑みでアピールする涼介

雅紀 「アハッ、元彼さんはごめんなさーい

今、ここは大人しく帰るんで夜は僕にくださ〜い

じゃぁ、後で連絡するね〜」


雅紀は爽やかな笑顔で帰って行った…


。。。