21.③

美乃里 「はぁー終わったー

なんか久しぶりすぎて1週間分くらいの労働感…」

かれん 「久しぶりだもんね…お疲れ様」

かれんは美乃里の肩をポンっと叩いた


美乃里 「かれんはもう帰る?」

かれん 「なんか食べちゃいたいよね…

まぁ月曜日だから、明日もあるし

ササッとなんか食べて帰る?」

美乃里 「そうしよー

あー誰かとご飯なんて久しぶりだなー」

かれん 「何食べたい?」

美乃里 「パスタかな」

かれん 「お!いいね、パスタにしよ」


2人は夜食を食べ、家路についた

かれん 「また明日ね」

美乃里 「ありがとう〜かれんのおかげで久しぶりの仕事も助かったよ、また明日ね

おやすみ」


美乃里は歩いていると家の近くで誰かに声をかけられた

男性 「あのー、すみません美乃里ちゃん?」

美乃里 「誰ですか?」

(もう家なんだけどな…早く帰りたい…)

男性 「僕こうゆう者で…少し話しできる?」

美乃里 「後藤…健太さん?記者…」

健太 「そう、涼介の先輩ってゆうかまぁ、兄貴分かな」

健太は優しく微笑んだ


美乃里は健太に軽く会釈すると近くの公園へ誘い

2人でベンチに座る


健太 「もしかしてずっと出てなかった?

前にさ、健太が仕事の時に今彼女の家の近くにいるんで

健太さん迎え来てくださいよーって言われてここら辺に涼介を迎えに来たのを覚えてたんだけどさ

それで涼介いなくなっちまってから美乃里ちゃんのこと気になって…

俺、最近よくここら辺ウロウロして…もうそれは不審者並に朝昼晩とウロウロしてんのにずっと美乃里ちゃんに会わないから、そろそろ辞めようかなって思ってたんだよ


会えて良かった」


美乃里 「すみません…今日から会社も復帰して…

すみません、ご心配をお掛けしてしまって…

あの、私もお付き合いしてた頃はよく健太さんのお話し伺ってました

もう人遣い荒いんだから〜って言いながら

なんかいつも嬉しそうで…」

そう言いながら美乃里は優しく微笑む


健太 「あのさ、美乃里ちゃん

今更 色々言ったって仕方ないんだけどさ、

アイツ…あぁ見えてすげぇ本当に心から好きだったよ美乃里ちゃんのこと

だから美乃里ちゃんのこと助けれて本望だと思ってるよ

美乃里ちゃんも沢山、色んなことで自分を責めてるんじゃないかって思ってさ

そんなの、俺だって一緒だからね?

だってあの日…涼介をあのカフェに誘ったのは俺でさ…

涼介は何にも関係無いのに

俺が1人でカフェに行ってたら涼介は巻き込まれ無かったかもしれねぇし」

美乃里 「だけど…助けを求めたのは私なので…」

健太 「ほら、またそうやって自分を責めてる」

美乃里 「でも…」

健太 「昔から涼介、言ってたんだよなぁ

俺の彼女は心の底がいつも寂しそうだって

美乃里は何かでけぇもん抱えてるって

俺、あいつの心開いてあげること出来ると思います?ってなんか悩んでる時はよく言っててさ…

俺はいつも、何事にもタイミングってのがあるから

そのタイミングを掴むのはお前次第だろって言ってたんだよ

それなのにすれ違いやらなんやらで別れちゃったかもしれねぇけど、涼介は違う関係になっても

美乃里の傍にいたい、美乃里が頼れる俺でいたいってアイツ頑張ってたよ…だから美乃里ちゃんは自分がピンチな時に涼介頼ったんだろ?

それって涼介の頑張りが実ったじゃん?

アイツすげぇ必死だったもん、銃声聞こえた後にさ

美乃里ー美乃里ーってめっちゃ叫んで

警察官が何人も止めに入って押さえつけてんのに

振り払ってさ、人間って必死だとこんな力出るんだって…これが火事場の馬鹿力かって俺びっくりしたもん…アハハッ」


美乃里 「ヒック…ッヒッ…うぅ…」

涙を抑えきれない美乃里


健太 「思い出させちゃってごめんな、俺も辛いけどさ

なんか、アイツのかっこいい話し、美乃里ちゃんにどうしても聞かせたくてさ…

美乃里ちゃん、俺さ…めっちゃ悔しい

涼介のこと…弟みたいに可愛がってたからさ

めっちゃ悔しいんだ…

だけど俺の仕事は記者で、涼介を殺した奴を追って記事にするのが仕事なんだよ

そんな事したくねぇし、アイツらに関係する奴の顔なんか見たくもねぇ…


だけどアイツらだって抱えてるもんがあったかもしれねぇ…

だから俺、アイツらのこと記事にするからさ

美乃里ちゃんが見れるくらい立ち直ったら

俺の記事見てな!もちろん涼介にも見せようと思ってる

それが俺と涼介の仕事だからさ…


伝えたかったのはそれだけ…

最後に。一緒に居たのに涼介を救ってやれなくて本当にごめんな…」

健太は美乃里に頭を下げた


美乃里は泣きながら首を横にブンブン振っていた

美乃里 「ありがとう…ございました」


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