女優をはじめてすぐに出会ったある監督との出会いが、ずっとわたしを支えています。
ワークショップで出会った監督です。
全10回、毎週違う監督のワークショップを受けるという機会がありました。
今週の監督は、
「感情を大事にしろ!」
と言ったかと思えば、次の週の監督は、
「感情なんて映らないんだから、〝見せ方〟を覚えろ!」
と言う。
毎週、刺激的でした。
その中の監督のおひとりで、太宰治の『駆け込み訴え』をひとり芝居するという課題でした。
はじめてのひとり芝居。
生まれて初めてワークショップというものに参加した時でしたし、ひとり芝居を観たことがなかったので、どうやって演じたら良いのか・・・
そして、莫大な量のセリフ。
前の週のワークショップが終わると課題をいただけたので、1週間で覚えるなんて。
正直辛かったです。
ワークショップなので、お金を払って辛い時間を買っているのか、わたしは・・・
なんて考えてしまうほど、追い詰められました。
とにかく丁寧に丁寧に演じました。
焦って早口になりそうなのを我慢して。
終わった後監督が、
「大きな門のあるお屋敷だね?」
「ドアの前に5段くらいの階段がある?」
「ドアをノックした後、ドアを開ける前に話しはじめましたよね?」
「◯◯のセリフのところで、家の主人が出てきたのは合ってる?」
「怒りより哀しみや憤りの方が多い?」
と感じたことや見えたことをお話してくださいました。
きちんと伝わっていました。
嬉しくて泣きそうでした。
沢山のセリフに挫けそうになったとき、緊張する現場の時、あのワークショップの日を思い出して、
「あの日、あんなに沢山の台詞を覚えて伝えられたんだから大丈夫。あの日と比べたらどーってことない!」
と自分に言い聞かせています。
そして、その時点でも有名な監督さんだったのですが、
「舞台の演出がしたい」
と夢を語ってくださったんです。
お父さまも監督さんなのですが、お父さまは芸術監督で撮りたいと思ったものしか撮らない、と。
自身は職業監督だから、オファーがあればなんでも撮る。
でも本当は舞台の演出家になりたいと思っていることを話してくださって。
こんなに有名な方にも夢があるんだって、当たり前ですが、なんだか凄く驚いてしまって。
最近はSNSで、演出をされている舞台のお知らせが多くて、しかも、ストレートプレイからオペラまで、多様な舞台を演出されていて、夢、叶えてて凄いなぁといつも刺激を受けています。
わたしも負けずに頑張ります。
にんにくと唐辛子が特に好きさん
まっつさん
こうじさん
いつも、コメントありがとうございます