近頃プチトマトが好きである。


といっても、実際そう食卓に上がるわけではない。

ただ、美味しいなあと思うだけの話。


なのに、トマトは嫌いだ。

幼い頃から嫌いである。

大人になるにつれ、嫌いというのは克服したが、嫌いだという思い出に囚われて、どうも素直になれない節がある。


好きな食べ物というのは実は深い。

深い、というよりもむしろ、時に重い役割を背負っている可能性がある気がするのだ。

それは「好きな食べ物は?」と聞かれた時の答えが、というだけのことで、好きな食べ物それ自体には当然何の罪もない。


5年ほど前、合コンで好きな食べ物の話になって困った、という21歳の大学生(女子)から相談を受けたことがある。

彼女の答えは、迷いなくただひとつ、『どて煮』であったわけだが、そのような席で言えるかと自問した結果、

「イチゴ」

と答えたという。


『どて煮』と『イチゴ』には、21歳にとっては雲泥の差があるように聞こえる。

現場が現場だけに、その差は歴然だ。

いわゆる、「モテる好きな食べ物」の答えがそこに存在するのではないかという相談である。


昔から、調理されたものではなく、食材を答える傾向にある私は、その時彼女から聞かれた、

「好きな食べ物は?」

に対する答えが、

「しいたけ」

だったため、

「どて煮よりヒドイ」

という評価を受けてしまう。

世間一般では「パスタ」という答えが主流らしい、とか、渋めの和食とかいいんじゃないか、とか色々話したものの、いまだに結論が出ていない。


というようなことを、プチトマトを久しぶりに食べた時、思い出した。


そしてやはり、ただの食材よりは、調理されたものを答える方が、話の流れとしては良いんだろうなあ、としみじみ思いつつも、

「好きな食べ物は?」

って聞かれたら、

『しいたけ』よりはモテ度が上の様な気がする、

「プチトマト」

と答える2010年の私である。




・・・というようなどうでもいい事を、がんばってUPしていこうと思います音譜