実は、パン屋というものに夢を抱いていたりする。


パン屋さんのおかみさんになりたいと願って20年。

そう、あれは確実に『魔女の宅急便』のせいである。


オソノさんは私の憧れの女性だ。

そしてそのダンナさん。

パン屋の佇まい。

中庭。

インスタントコーヒーすらも。

すべてにおいてハッキリ言ってパーフェクトに理想なのだ。


芦屋においしいパン屋があると友人が言うので、夙川でランチした後、そのまま車を走らせた。

店は移転していたのだが、帰ろうとなぜか右折したそのすぐ先に新しい店があって。

(誰がどう考えても右折はおかしかった)

芦屋という場にふさわしい、可愛らしい白い小さな一軒家のパン屋さん。


「PAN TIME」


っていう名前もいい。

とか思いつつ店の前に車を停めて(駐車スペースはたった3台、それに入れるはずもなく)

先に外に出た友人が、場所を忘れないようにと写メを撮っていたら、


中からスタッフの人が出てきて、注意している。

写真を撮るなと言ってるようだ。

どうも、ブログやなんかにUPされると人が殺到して困る的な云々。


そういうの、キライ。


まず、ブログに載せるとか決め付けたとこ注意。

人が殺到して困るとこも。

「そこ、困るんや・・・そしたらちょっとオシャレで可愛くて、おいしいパン屋なんか辞めたら?」

って思うわけ。


ふ~ん、って思いつつ店に入る。


貼り紙の「正社員募集」に目が行く。

うちはバイトは雇っていません!って書いてあった。

バイトという身分の私からすると、「バイトはアカンらしい」という印象。

世間的に?経済的に?何的に?


とかふてくされつつもなんやかんや1000円近く購入する。

パンは好き。

パンはおいしい。


みるみる内に狭い店に人が押し寄せ、びっくりするほどの混雑。

6畳一間くらいの広さだから仕方ないのだけど。

友人がレジに並んでいる間、色々と見ていると、予約されたパンの多さに驚く。

横のショーケースには自慢のケーキ少し、輸入のチーズ。

棚にはアンティークっぽいブリキのおもちゃや海外の飲料水のビン。

そしてそのいわゆる正社員はたくさんいて、中で焼いてる人、販売する人、運ぶ人、・・・

他の貼り紙も。

一日に500人以上、土日は800人ものお客様がいらしていただいております云々。

ご近所の迷惑にならぬよう、気をつけてほしいとの意であろう。


パンはおいしかった。

といっても、私はパン職人ではないし、パンマニアでもない。

パパがいつも土曜日に買ってくる、ドンクのパンと何が違うかはわからない。

芦屋という土地柄か、正社員ばかり雇うからか、パンの単価が高め設定なのもおいしく感じる要素でもあったし。

腑に落ちないってわけじゃなく。

別にそれはそれ。

それぞれに人は何かを主張してやってけばいい。



結局、私の思う私の好きなパン屋さんは、決して『味』でも『見た目』でもなんでもなく、

その『佇まい』と『人』なんだろうと思った。



要するに私は一生、『グーチョキパン店』を探しているってことか。


あー、どこにあるんでしょ。



近頃プチトマトが好きである。


といっても、実際そう食卓に上がるわけではない。

ただ、美味しいなあと思うだけの話。


なのに、トマトは嫌いだ。

幼い頃から嫌いである。

大人になるにつれ、嫌いというのは克服したが、嫌いだという思い出に囚われて、どうも素直になれない節がある。


好きな食べ物というのは実は深い。

深い、というよりもむしろ、時に重い役割を背負っている可能性がある気がするのだ。

それは「好きな食べ物は?」と聞かれた時の答えが、というだけのことで、好きな食べ物それ自体には当然何の罪もない。


5年ほど前、合コンで好きな食べ物の話になって困った、という21歳の大学生(女子)から相談を受けたことがある。

彼女の答えは、迷いなくただひとつ、『どて煮』であったわけだが、そのような席で言えるかと自問した結果、

「イチゴ」

と答えたという。


『どて煮』と『イチゴ』には、21歳にとっては雲泥の差があるように聞こえる。

現場が現場だけに、その差は歴然だ。

いわゆる、「モテる好きな食べ物」の答えがそこに存在するのではないかという相談である。


昔から、調理されたものではなく、食材を答える傾向にある私は、その時彼女から聞かれた、

「好きな食べ物は?」

に対する答えが、

「しいたけ」

だったため、

「どて煮よりヒドイ」

という評価を受けてしまう。

世間一般では「パスタ」という答えが主流らしい、とか、渋めの和食とかいいんじゃないか、とか色々話したものの、いまだに結論が出ていない。


というようなことを、プチトマトを久しぶりに食べた時、思い出した。


そしてやはり、ただの食材よりは、調理されたものを答える方が、話の流れとしては良いんだろうなあ、としみじみ思いつつも、

「好きな食べ物は?」

って聞かれたら、

『しいたけ』よりはモテ度が上の様な気がする、

「プチトマト」

と答える2010年の私である。




・・・というようなどうでもいい事を、がんばってUPしていこうと思います音譜