MMT現代貨幣理論入門という本の翻訳漏れを補うシリーズの第19回。

 キング牧師の誕生日に合わせてみました\(^o^)/  

 

 第八章は「完全雇用と物価安定」の章。

 ここには、雇用保障の考え方が提示されているのですが、やはりコラムはぜんぶ翻訳されていません。。。

 

 いったいどういうことでしょうか?
 

 ここにはさらに、もっと勉強したい人用の参考文献がリストされているんですけどー 

 

 

シリーズ目次
  第二章 
  第三章 5&7
  第四章 1&23(番外)
  第五章 
  第六章 1&26&7
  第八章 1(今回)2&34&7


それでは!

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「ジョブ・フォー・オール」 キング牧師のワシントン大行進における忘れられた重要要素

"怒りとフラストレーションの炎を燃え上がらせたのは、この惨めな状況に対する政府しつこいほどの無関心だった。政府は、黒人ゲットーが大失業の惨劇に見舞われる中、いつも中途半端な対策を打つだけで、政府が最後の雇用主になることを拒否する。政府はこの問題を財界に解決をさせようとするがが、それでは失敗者の彼らにうまくやれる資格があると言うようなものではないか". - Rev. Dr. Martin Luther King, Jr., in his last letter requesting support for the "March on Washington for Jobs and Freedom".

 ジョブギャランティが最後にアメリカ国民の想像力をかきたてたのが1960年代初頭であったことを知っておくのは重要だ。キング牧師は、雇用へのアクセスが公民権の重要な要素であることを認識していたのだ。

 また、マシュー・フォーステーターは2001年に、仕事へのアクセス保証を主張したキング博士の発言を数多く集めている。彼の論文「公共サービスの雇用保証」を参照せよ。

 以下、フォーステーターの議論の一部とキング牧師からの引用をいくつか紹介し、最後に参考文献を挙げておく。

キング: 黒人社会にあるのは文字通りの不況だ。大量失業が黒人社会で発生すると、それは社会問題と呼ばれる。大量失業が白人社会で発生すると、それは不況と呼ばれる。事実はこうだ。黒人コミュニティで大規模な不況が起きている。失業率は猛烈に高く、黒人の若者の失業率が40%にもなる都市すらある。 (King, 1968) 
キング:  経済の拡大だけでは、黒人の雇用状況を改善することはできない。 経済の拡大は改善の基盤を与えはするだろうが、特に若者の悲劇的な状況を解決するためには、その基盤の上に別のものを乗せなければならない。 経済が活況を呈している中、黒人の若者はまるで経済危機の最中のように失業に苦しんでいる。 彼らはアメリカの発展の爆発的部外者だ...。 (King, 1967) 

 

 

キング: 熟練した黒人、半熟練の黒人が経済安定保障へのはしごを登ろうとする一方で、自動化が週に4万人の仕事を消滅させている。いつの間にか白人労働者との競争になっている。 これはおそらく社会的および経済的混乱の必然的な結果なのだろうが、耐え難い状況だ。仕事の供給が減少し続けている中、黒人は白人労働者と競争を続けることすらできない。 (King, 1963)

 

 

フォーステーター: キング牧師は、"政府が...最後の雇用者になる "という提案を何度も繰り返している。(キング、1971年(1963年))。"我々には、経済的権利の法を必要だ。これは、仕事をしたいと思い、働くことができるすべての人々に仕事を保証する... それは、何らかの公共サービスの仕事を創造することになる。(キング, 1968) 

 

 

キング:  われわれは、公共事業、再訓練、そしてすべての人のための雇用ための連邦プログラムを開発しなければならない。そうすれば、白人でも黒人でも、誰にとっても脅威を感じる原因がないことになる。今はまさに、週に何千もの仕事が自動化その他の生産効率化技術によって消滅している .... 黒人も白人も、何か壮大で想像力豊かなことが行われない限り、私たちは皆、害を被ることになるだろう。失業や貧困に苦しむ白人も黒人とまったく同じ船に乗っているということが認識されなければならない。彼らも共に、すべての人が仕事を得られるよう政府に大規模な圧力をかけることができる。共に、壮大な同盟を形成することができるのだ。共に、すべての人々の利益のために、すべての人々を統合することはできるのだ。. (King, 1965)

 

 

フォーステーター: キング牧師は「ここからどこへ行くのか」(1967年)という本の中で、彼のビジョンを詳しく説明している。第一に、技能の開発と教育はプログラムの成果であって、前提条件ではない。第二に、仕事は、公共サービスが不足している地域社会にそれを生み出すことで、公共サービスを最も必要としている地域社会に利益をもたらすものである。第三に、このプログラムは、ニーズが満たされていない個人や家族のための収入を生み出す。第四に、個人、家族、地域社会、そして国家にとって、多くの社会心理学的利益がある。

 

 

キング: 人間サービスの拡大は、アメリカで続く失業者を吸い上げる「今は行方不明」な産業ということになりうる。アメリカの雇用シーンを変える「今は欠落している」産業になりうる。この人間サービスの拡大とは、建設や他の分野のような巨額設備投資ではなく、すぐに人手を必要とする労働集約的な産業であり、民間企業で満たせない巨大ニーズを満たし、仕事が訓練となり、労働力の開発を伴う産業である。人間サービスは急いで成長させなければならない。そこでは大学や大学院の卒業証書を持つ専門家のための仕事ではなく、近隣の人々のために重要な機能を果たすことができる、近隣の人々のための仕事を保証する形で計画されるべきである.... 教育を受けていない人々は、現在高学歴の人々が行っている仕事の多くを行うことができるし、それだけでなく、他の多くの新しい必要な仕事も行うこともできるのだ。(King, 1967, 原文強調, pp.197-98)


 フォーステッターは別の仕事で、キング博士が公民権を推進していた50年後の世紀末にアメリカが直面していた問題を分析することにより、キング博士の提案を現在によみがえらせている。 Mathew Forstater:「米国における黒人の貧困と失業を減らすための完全雇用アプローチ」、ワーキングペーパーNo. 7、2000年3月を参照。

フォーステーター: ダリティ他 (1994)は、産業資本主義から「経営資本主義」あるいは「経営社会」と呼ぶべきものへの転換に伴って、黒人の「下層階級」はもはや労働予備軍として機能していないと主張している。


 「失業者」とか「下層階級」という規律は、労働者から仕事を奪うと脅すというより「次はあなたかもしれない」という見本として働く。フォーステーターは、ナショナル・アーバン・リーグが「市内の貧困層のため雇用にレーザービーム的に焦点を当てた」政策を求めた1996年の「ブラック・アメリカの現状」という文書から引用して次のように続けている。 

 

誤解なきよう、都市部の人々は働きたいと思っている。都市部の人々が働くために、そして都市が機能するために、私たちは雇用活動を広めなければならない。どんなマクロ経済政策も、経済成長のシナリオも、モデル都市のアプローチも、ブラックキャピタリズムの戦略も、エンタープライズゾーンの実験も、失業率を急いで低下させることで希望のジャンプスタートを図るという意味で、大恐慌時代の職業推進局に匹敵するものではない。労働市場の穴を満たすために公金を支出することがアメリカらしくない、ということは全くない。 <


ジョブ・フォー・オールに関するキング牧師の資料リスト

 

  • Bibliography of Work by Dr. Martin Luther King, Jr. Related to Jobs for All King, Jr., 
  • Martin Luther. 1963. Why We Can't Wait, New York: New American Library. 
  • Interview with Dr. Martin Luther King, Jr. 1965. Playboy, January, 117ff. 
  • King, Jr., Martin Luther. 1967. Where Do We Go From Here: Chaos or Community? New York: Harper & Row.
  • King, Jr., Martin Luther. 1968. "Showdown for Nonviolence", Look, Vol. 32, April 16, pp. 23-25. 
  • Dr.King's last letter requesting support for his March on Washington in R. Goodman. 1971. After the Planners, New York: Simon and Schuster, p. 32.
  • King, Jr., Martin Luther. 1972 [1968). "New Sense of Direction", Worldview, 15, April. 


上で引用したその他の文献

 

 

  • Darity, Jr., William A. and Samuel L. Myers, Jr. (with Emmett D.Carson and William Sabol). 1994. The Black Underclass: Critical Essays on Race and Unwantedness, New York: Garland. 
  • National Urban League. 1996. The State of Black America 1996, New York: National Urban League, Inc.