想い出のクラウディア・カルディナーレ
クラウディア・カルディナーレ。
お若い方々にはあまり馴染みのない名前だと思います。
私の周囲でも、
知らないという人も、結構いたし。
60〜70年代に青春を送った人たちに親しまれた存在だったと言えるかな。
(もう60年以上も前!😱)
87歳で亡くなったそうです。
ロバート・レッドフォード、テレンス・スタンプら
60年代に眩しいほどのオーラに輝いていた人たちの訃報は、本当に寂しい。
カルディナーレも、
60年代、映画雑誌でほとんど毎号のようにグラビアが掲載され、
読者人気投票ではいつもベストテン上位に選ばれる、
本当に人気スタアでした。
私がスクリーンの彼女を初めて見たのは、
ジャック・ペラン目当てで見に行った「鞄を持った女」
61年度の作品だけど、
多分、三番館ぐらいに落ちた時、
63年頃に見たのではないかと。
(新宿の日活名画座だったと記憶してます)
兄が捨てた女にほのかな恋をする
金持ちの少年ロレンツォ。
そんな彼に想いを寄せられるアイーダという女性は、
いかにも労働階級という風情で、
クラブの歌手をしていて、
お人好しで、男へのハードルも低いけど、
気持ちは純真。
冒頭、草むらでオシッコをする場面から始まるが、
そういう行為も自然にしてしまう、
素朴で飾らない女。
ロレンツォが家族が留守にしている自分の邸宅に彼女を呼び、
「アイーダ」のオペラをかけるシーン。
階段から颯爽と降りてくるアイーダ。
その姿に恋心を募らすロレンツォが、また切ない。
結局、2人は分かれるんだけど、
駅のホームにある食堂みたいな場所で、
彼女が自分の子供のことを話す場面がある。
未婚で産んだ子供のことを話しながら、思わず泣いてしまう。
これを後年、レンタルかテレビで再見した時、
私は、ああ、これは、と腑に落ちた感じがした。
この映画撮影当時、
彼女は自分が未婚の母であることを秘密にしていた。
なので、この涙は演技を超えた、
彼女自身の内面から出てきた本物の涙だと
初めてわかった気がしたのだった。
60年代だったと思うけど、
彼女は弟だと言っていた子が実は自分の息子だと初めてマスコミに公開。
当時、大きな話題になった。
映画雑誌でも、この記事を写真入りで大きく報じたものだった。
(その号を残してなくて残念!)
(今だったら、スキャンダルとして SNSで炎上したかもですね)
今、改めてimdbを調べると、
その男の子は19歳になるまで彼女の息子であることを知らなかった
と出ているけど、
でも、世界中の映画雑誌に載った時、
その子はまだ12歳ぐらいだったし、
まさか、マスコミが知っていて、
彼が知らなかったということもありえないし、
imdbの記載は間違っているとしか思えませんが、、、。
カルディナーレの作品、
「ブーべの恋人」(1964)も大好きだった!
1回しか見てないけど、
恋人ブーべに靴を買ってもらって、
ヒロインのマーラが無邪気に喜ぶ場面が印象に残っている。
しかし、
殺人に手を染めたブーべは収監され、
その彼の出所をずっと待ちながら、
いつまでもいつまでも、刑務所に通い続ける。
その、いかにもイタリア女らしい、
芯の強さを持ちながら、、
でも、内面は繊細で、傷つきやすい、
という女性を演じて、
カルディナーレの魅力が大きく花開いていた。
ブーべを演じたのが、
「ウエストサイド物語」のジョージ・チャキリスだったことも
忘れられないけど、
そのテーマ音楽も当時大ヒットして、
哀愁のこもった旋律が、
今なお脳裏に甦ってきます。
他にも、
ルキノ・ヴィスコンティの「山猫」「若者のすべて」
フェリーニの「81/2」
ピエトロ・ジェルミの「刑事」
セルジオ・レオーネの「ウエスタン」
など、
大監督たちとのコラボも多かった。
後年は、あまり目立った活躍をしていなかったようだけど、
かつてスクリーンに焼き付けたその唯一無二の存在感は、
映画史に輝き続けることでしょう。
↓これは64年5月号の映画の友。
イタリア映画祭のために、来日した時のショット。
秦早穂子さんによる素晴らしいインタビュー記事も掲載され、
彼女の気さくで暖かな人柄が活写されている。
今では貴重な資料ですね!
R.I.P.






