「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」
早速観てきた〜
よかった〜
ひと言で、言えば、
とにかく、「泣ける映画」ではあるのだけど、
涙の種類はいろいろで、
レジェンドとなったミュージシャンたちの歌を
再び聴いている、という熱い高揚感、
それとともに
観るものを包み込む
至福の想いや、
彼らの最期をみつめる切なさ、
そこには、
ひとの一生の重み、というか、
人生を生きる意味を考えさせる、
ここは、前作では感じ取れなかった思い、
というものもあって
(私がそういう年齢に達したということも大きいかな)
まさに、
人生をみつめるような、深い、価値ある映画なのである。
ネタバレしてますので、未見の方はご注意お願いします。

今回は、キューバ音楽の歴史も紹介される。
虐げられて生きてきたキューバの(主に)黒人たちの
魂の叫び。
それが、<ソン>という音楽を生み出した。
バティスタ政権下で、
白人やマフィアがキューバの富を独占していた状況も少し紹介される。
(ここは、まさに「ゴッドファーザーパートⅡ」でのマイケルとフレド絡みの場面とリンク!
キューバ革命勃発の様子もあの映画では鮮やかに描かれていた!)
前半は、
前作のメイキング的な映像がいっぱい。
これは、私にはとても興味深かった。
大体、
前作では、あの伝説のおじいちゃんミュージシャンたちが
にこやかに和やかに演奏を繰り広げていたが、
私は、内心、
音楽ずっとやってきて、
しかも一度は忘れられた音楽家たち。
けっこうガンコそうだけど?
って、秘かに思っていたのだが、
さもありなん、
ていうような、
ちょっと面白いシーンが、
今回は挿入されてました。
(いまだから語れる!みたいな感じだろうな)
音合わせのとき、
90歳のコンパイ・セグンドが、
「音が合ってな〜い!」
と半ばキレ気味で、
「機械の音のほうがおかしい!」
と、絶対に譲らない!
しまいに、
「俺はこれで、90年やってきた!」
って。。。
もう、観ているほうは、
なんか、
微笑ましい、というか、
そうだよね、
こういうこと、絶対あったよね、
って、可笑しくてたまらないのだが、
オジイチャンたちがみんな言いたい放題になってるのを、
製作側は青くなってて、
この(リハーサルの)2日間で映画を撮るか、
などと言っているシーンまでカットされずに出てくる。
それと、
前作のキービジュアルの裏話、これは何とも凄い!

この男性は、イブライム・フェレール。
彼は、ライ・クーダーやニック・ゴールドらに
見いだされたとき、
既に70歳で、
その当時、音楽を諦めていて、
靴磨きをしていたという。
最初の日、
そんな彼がスタジオに入ってきて、
その歌声を聴いたニックは、
あまりの美しさにショックを受けた。
そして、2日目、イブライムはこの服装でやってきた。
たった1日で、
ミュージシャンとしての自信を取り戻した
イブライムのオーラの凄さ!
やはり、ただ者ではないミュージシャンだった!
そして、それを、
ブエナビスタのキーアートにした、
というのも、
何とも象徴的ではないですか!
イブライムも、コンパイも、
そしてルベーン・ゴンザレスのピアノも、
何回聴いても素晴らしくって、
陶酔の境地だが、
今回、改めて、
歌姫オマーラ・ポルトゥオンドや
エリアデス・オチョアの
(今作のキーアートは彼です!)
衰えを知らぬ力強い歌声に
深く揺さぶられました〜
オマーラとイブライムの若き日のコラボ映像なども発掘されていて、
もう興味が尽きない。
白人と黒人のハーフとして生まれたオマーラ。
その苦労の歴史も語られて、
さまざまな悲しみを乗り越えてきたことが偲ばれる。
特に泣けるのは、
イブライム亡き後、
彼女が1人で熱唱するステージ。
魂から絞り出すような歌声。
イブライムへの想い。
もう、これは、言葉では言い表せません。
とにかく、観て、聴いてほしい!

コンパイの最期も、
とても切ないが、
しかし、
ほんとに彼は極上のダンディだったと、
そのカッコよさに改めてシビれたわ〜

いつも、
女と花とロマンスを愛して、
葉巻をくゆらせ、
上品な色っぽさと
少年のようなやんちゃな瞳と
人生をどのように生きてきたんだろう
と観る者の想像をかき立てるような
えも言われぬ存在感。
95歳で亡くなったコンパイ。
その盛大な葬儀の模様も出てくるが、
特に棺の上に置かれたパナマ帽が印象的だった。。。。
人生は、
何が起こるかわからない。
そんなすてきなハプニングがもたらした、
ブエナビスタソシアルクラブのミュージシャンたち。
埋もれていた天才たちが、
人生初めての脚光を浴び、
その才能をどんどん広げていく。
当人たちですら、
それは驚きだったのだ。
ということも、
今回の作品で改めて感じられたが、
やはり、
人間の一生って、
若さとか、老いで、計れるもんじゃない、
って、痛切に感じる。
そして、
彼らが、たとえ遅れてきたにせよ、
ようやく花を咲かせることができた、
それを知った私たちをも幸せにしてくれて、
こんなに幸せな人生の締めくくり方もないな、
と私は感じたのだった。
DVD買って、
また何度も観たくなる。
いつまでも大切にしたい、
珠玉の作品です。。。

