最近読んだ本 | 映画とネコと、私の好きなもの。

最近読んだ本

たまたまブックオフで津村節子の「重い歳月」に惹かれて,読み始めたら、非常におもしろくて、一気に読んでしまった。

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実は私は、彼女が「女学生の友」(ジョトモと略すの、知ってる人、相当年齢行ってます!笑)に少女小説を書いていた頃、読者だった一人。

で、その津村氏が芥川賞をとったとき、へえ、あの少女小説書いてた人がねえ、と感心したものよ。

だが、ご主人の吉村昭さんの小説はよく読んだけど、その後、奥様のはあまり馴染んでなかった。
それが、この「重い歳月」は、小説家を目指す夫婦ふたりの物語という、
まさにふたりの実話を描いたもので、
作家を目指す男女が結婚して上手くやっていけるの?と、
かつて似たような状況にあったワタクシとしては、とても興味深かったのだ。
(いや、私の場合、似たような、と錯覚していただけで、後にとんでもない間違いだったと、気づいたんですけどね(;^_^A)

売れなくても執念で書き続ける、その粘りというのが、やはりただ者ではない。
逆に言えば、だからこそ、後の吉村昭、津村節子になっていったのか、とある意味、納得できるというか。。。
絶対にあきらめない。上手くいかなくても、めげずにとにかく書き続ける。
書くことが天命、もうそれしかないという感じである。

で、物語としては、夫は、賞候補になっても落ちてばかりで、結局、妻が先に受賞してしまうのだけど、ひとつ屋根の下での文学者同士の闘いというのは、ほんとに読んでても辛くなる、まさに重い歳月。
こういう中でも生きられるエネルギーと信念を持っていてこそ、作家なんだろうなあとも思える。
私なんか、とっても持ちません。すぐに逃げ出しちゃうな。

今振り返るにあの吉村氏の筆力、並大抵の才能ではない。
歴史の一角をドキュメンタリーのように描く作品での、物事を冷静に正確に切り取る分析力と描写力、よくぞここまで調べた、と本当に舌を巻くばかりである。
(最近では「関東大震災」を読みました)

で、これで俄然興味を持って、次に読んだのが、同じ津村氏の「紅梅」だった。

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これは、夫吉村氏が癌で身体を蝕まれていく最期の日々を綴った、壮絶な記録である。

とても感動した。

売れないときから、やがてさまざまな賞を受賞し、夫婦揃って芸術院の会員にもなり、互いに戦友としてまたはライバルとして、同じ家庭の中で生きてきた男女の歴史ーー
それはきれいごとでは終わらない、かなり重いもので、読み手としてもそれは十分に感じるものの、
それを上回るほどの夫婦としての深い絆に感じ入り、
こうやって結婚を全うできれば、それはそれで意義のあることだなあと、感慨深いものがあった。。。。