50歳の恋愛白書 | 映画とネコと、私の好きなもの。

50歳の恋愛白書

「50歳の恋愛白書」
レンタルした何かのDVDに収録されていたトレイラーを見なければ決して鑑賞することはなかったであろう作品。だって、この邦題ですもんね。
原題は「The private lives of Peppa Lee」というの。ずっと洗練されてます。

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とてもよかった、ヒロインに心から共感することができた。

監督はレベッカ・ミラー。文豪アーサー・ミラーの娘で、ダニエル=デイ・ルイス夫人。
ヒロインのピッパ・リーにロビン・ライト(ショーン・ペンとついに離婚したので、ファミリーネームのペンはもうつけてない)。
共演がすごいの、アラン・アーキン、ウィノナ・ライダー、ジュリアン・ムーア、モニカ・ベルッチ、マリア・ベロ、ピッパの若き日を演じる今注目のブレイク・ライヴリー、そして、ピッパと恋に落ちる男にキアヌ・リーブスという豪華さ。

(以下ネタバレご注意)
ずっと年上の作家ハーブ(アラン・アーキン)と結婚し、2人の子供を育てあげ、お年寄りばかりが住む住宅に彼と引っ越してきた50歳のピッパ。
夫の前では理想の妻たらんとして、自分を抑えたような生活をしている彼女だけど、かつては薬物依存症の母親(マリア・ベロ)に苦しめられ、家を飛び出したあとは薬やセックスに明け暮れる荒んだ生活を送ってきた。
その過去が時々フラッシュバックで挿入される。
ストレスが溜まっているからなのか、彼女はときどき夢遊病に襲われ、気がつくとコンビニにいたなんてことも。

隣の家にはシャーリー・ナイト扮するおばあちゃん(シャーリーの若い頃を知っている世代なんで、ちょっと気持ち複雑。。「恋愛小説家」にも出てましたけどね。)がいて、近々,自分の息子が離婚して戻ってくるという。
これがキアヌ・リーブス扮する35歳の男クリス。
ピッパが夢遊病でコンビニをさまよってきたとき、彼がそこに夜勤で勤めていたこともあり、何回か出会ううちに互いの存在が気になっていく。

そんな中、ハーブが浮気していたことを知るピッパ。
しかも相手は、ふたりの共通の友人(ウィノナ・ライダー、神経ぴりぴりした女って雰囲気をよく出していて上手い、年とったけど。。。)。
でも、その瞬間、「突然、心が軽くなった。重石がとれたような感じがした」ピッパだった。
ずっと夫に合わせて自分を押さえ込み、自分を見失いそうになっていた彼女が、皮肉なことに夫の不実を知って、我に返ったのね。
で、夫のもとから出ていこうとするんだけど、その途端、ハーブが倒れて帰らぬ人になってしまう。
だけど、彼女は今まで自分を裏切ってきたのだからと、夫の葬儀の手配を子供たちに託すや、自分はクリスと旅に出ていくのです。。。。

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いやあ、これ、今の私にはドツボだったわ!
夫の浮気を知って心が軽くなるという妻の心情をこんなにもリアルに描いた作品、今まであったかしら?特に彼女が夫の葬儀の手配を子供に頼んでいくという下りは拍手喝采ものでした!

この映画、若い人にはあまり評判が芳しくないけど、それはこの夫婦が置かれている状況が実感として迫ってこないからだと思う。
逆に、年を重ねて人生の酸いも甘いも知り尽くし、老いにさしかかっている人が見ると、この夫婦の危機というものが実にリアルに迫ってくるの。
妻は夫を気遣いすぎて、夫を逆に閉じ込めているのかもしれない。
ハーブは妻といると「老い」を目の前に突きつけられている気がするんだと思う、だから他の女性に救いを求めてしまった、その気持ちもわからなくはないしね。
で、男っていうのは、いつまでたっても「悟る」ことのできない動物だってことも、よ~く描かれてます。

ところで、実際のロビン・ライトは今年45歳、で、な、なんと、キアヌは47歳なのよ!
彼の方が年上なのに、映画の中では、50歳と35歳の役で全然違和感ないって、一体。。。。。
キアヌってなんで年とらないんだろう、もうフシギすぎる。。。。

ちなみに、この邦題でスルーされていた方、とても深い、イイ作品なので、是非見てくださいね!