元気の出る映画No.1は「リトル・ミス・サンシャイン」 | 映画とネコと、私の好きなもの。

元気の出る映画No.1は「リトル・ミス・サンシャイン」

今までかなりの数の映画を見てきたから、大好きでたまらないという作品も色々ある。
でも、機会があれば見たい、と思わせる作品ってそんなにあるもんではない。今これ見ると気が滅入りそうとか、今日この気分じゃないな、とか、そのときの状態によってね、映画って場所と気分を選ぶものですよね。でも、そんな中でいつでもこれなら見たい!という映画がこれ!

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実際、何回見たかわからない。登場人物のしぐさ一つ、セリフ一つ、みんな溜まらなく愛おしい!
生涯のベスト映画の1つに上げたいくらい、好きでたまらない!
元気になりたいときに見る1本として、すべての世代にお薦めしたい名作!

どこが好き?って、まず、設定とキャラクターがもう見事。
(以下ネタバレご注意)

負け組にならないための独自の9ステップ理論を編み出し、それで一山当てて、講演、本、DVD化などで儲けたいと考える父親リチャード(「恋愛小説家」で初めて会って以来大のお気に入りのグレッグ・キニア)
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その夫をちょいと馬鹿にしながらもしっかりと家庭を支えている、芯の強い妻シェリル(「シックス・センス」「めぐりあう時間たち」を始め作品ごとに違う顔を見せてくれる、大好きなトニ・コレット)
(↓左から2人目)
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自分は全米NO.1のプルースト学者だと信じているゲイのフランク(コメディアンとして、ジャック・レモンにも通じる悲哀を感じさせるスティーブ・カレル。唸るほど上手い!「40歳の童貞男」もよかった!)
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リチャードの父親でドラッグ中毒のため、老人ホームを追い出されたおじいちゃん(「キャッチ22」など血気盛んだった若い頃から知っているアラン・アーキン。枯れてなお意気盛んな役はさすがに彼らしい!本作でオスカー助演男優賞を受賞)
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シェリルの連れ子で、空軍パイロット試験に合格する願掛けのために沈黙の行に入っている長男ドウェーン(この後「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」で凄まじい演技を披露し、ただ者でないことを再認識させたポール・ダノ)
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そして、美人コンテスト「リトルミスサンシャイン」で優勝することを夢見る、チャビーな長女オリーブ(可愛いだけじゃなくて演技力もピカ一、この後「ゾンビランド」などでも活躍のアビゲイル・ブレスリン)
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ストーリーは、自殺未遂を起こしたフランクを、シェリルが病院から引き取るところから始まるが、オープニング音楽にのせて家族全員のキャラや生活ぶりをさりげなく紹介するシークエンスが上手い。
優れた映画というのは、セリフで状況を説明することを極力避ける。映像ひとつ、たった1枚のショットですべてを説明する。
例えばこの作品、シェリルがフランクを連れて我が家のドアを開けて入ってくるそのシーンで、画面の端に見えるのがシェリルとリチャードの結婚式の写真。
2人の横に少年がいる。この写真がちらちらと出てくるので、そうか、この少年は子供のころのドウェーンで、彼らは再婚なんだってわかるワケ。
しつこく、オリーブとドウェーンは父親違いの兄妹なんて一言も説明しなくても、ちゃんと観客の頭にインプットされていく仕組み。
世の脚本家の方々よ、見習ってほしい。

食事のシーンで家族一同が打揃うわけなのだが、ここは本作の中でも特に出色の名場面。
各自が自分を主張して、一歩もあとにひかないのだが、それが妙に気持ちいい。
(↓これはそのシーンから。おじいちゃんが、毎日チキンばかり食べさせるとわめき散らす下り)


そんな騒々しい最中にオリーブが美人コンテストの決勝に勝ち進んだ知らせが入り、一家揃って、カリフォルニアに向けて1泊2日の旅に出ることになる。
乗り物はポンコツのフォルクスワーゲンバス。
案の定、途中でギアが壊れて、皆で押さないとエンジンがかからなくなる始末。
でももっと大変なことがこの旅には待っていた、というわけで。。。。。

ほんと、人生っていろいろある。みんなが傷跡を抱えて生きている。
でも、何とかなるさ、支え合える家族がいればなおいいね、とこの映画は教えてくれる。
見ている間、くすくすおかしなシーンもいっぱいあるし、ほろっとくる場面もいっぱい。

とにかく、全編に貫かれている、あっけらかんとした明るさ、これがいい!

見終わった後には、明日からまた頑張って生きていこうというポジティブなエネルギーが充電されていることがわかる。
そんな作品です。

余談ながら、この映画はフォックスサーチライト製作。
この20世紀フォックスの子会社が作ったものは、「クレイジー・ハート」「サイドウェイ」「500日のサマー」「JUNO/ジュノ」など良作揃い。
映画を見るときに最初にこの会社のロゴが出てくると、私の中では、襟を正すという感じになる。

今後も「ブラック・スワン」「127 hours」などオスカーレースに名を連ねる作品が待っているので、楽しみ!