2010ベストワン「クレイジー・ハート」
今年もそろそろ終わるということで、ベストワン映画について語りたいと思う。
皆さん、ご存知のように、今年は私、いろいろありまして、正直、映画館に通う回数がガタ減りだった。もう1つ、3D映画が増えたことを始めとして、アメリカ映画がつまらなくなったことも、映画館への足を遠のかせた理由でもあった。いや、面白いアメリカ映画もちゃんと作られているのだが、日本の配給会社はヒットの見込みのあるものしか買わないし、公開しないので、低予算の単館系作品は以前よりもぐっと減ってしまったのだ。
そんな中で、ジェフ・ブリッジスが今年のアカデミー賞主演男優賞をとったので、公開されたのが「クレイジー・ハート」。もしも、賞がとれなかったら、これもDVDストレートだったらしい。
で、これが私の今年のNo.1!

( ↓ 以下、ネタバレご注意!)
ジェフが演じているのは、中年の落ちぶれたカントリーシンガー、バッド・ブレイク(名前からして凄い!)。
アル中で酒と煙草が手放せない、見るからに危なっかしい生活。
でも、地方にどさ回りで行けば、いまだに伝説のカントリーシンガーとして、ファンから温かく迎えられて、けっこう人が集まる。
会場はボーリング場の片隅とかだけど、ローカルなファンたちは彼の歌を心から楽しんでいる。
このあたり、アメリカの地方特有の雰囲気がよ~く出ている。
そんな中、若いシングルマザーの新聞記者が彼に取材を申し込んでくる。
それが、マギー・ギレンホール扮するジーン。
母性愛たっぷりでセクシーな魅力もある彼女に、やんちゃな子供みたいなバッドが惚れるのはまさに予定調和だし、この恋が危うくて長続きしないことも観客には読めてしまうのだけど、それを割り引いても、このドラマは、人間を見る目が温かくて、人間の善性を信じているところが素晴らしい。
バッドの弟子で今はカントリーシンガーのトップに上りつめたトミー・スウィートとのドラマもまた泣かせるんだわ。
バッドは破格のギャラに惹かれて、トミーの前座をつとめるんだけど、このステージに突然トミーが現れて、サプライズ・デュエットを披露。そして、大勢の観客たちに、自分の師匠であるバッドへの感謝を述べて、バッドの歌をじっくり聴いてくれ、と紹介するわけ。
やがてトミーは、自分が歌う曲を彼に作ってほしいと依頼してくるの。自分が歌えば大ヒットするし、バッドのキャリアにもプラスになるわけで、要するにそういう形で、バッドに恩返ししたいと思ってるわけ。
こんないい人って、今までのアメリカ映画に出てきたっけ?ていうほど、このトミー、私の中で高ポイントをゲット!
演じているのが、あのコリン・ファレルというところも、サプライズ。いや、このギャップがまたいいんだ。爽やかなナイスガイ役から最も遠い位置にいる人が、まさかの好演、しかも友情出演なのか、ビリングには名前なしです!
(で、付け加えると、バッドがトミーのために作った曲としてラストに出てくるのが、「The Weary Kind」。見事、アカデミー賞主題歌賞を受賞!実際に作ったのは、T=ボーン・バーネットとライアン・ビンガム)

特筆すべきは、ジェフもコリンもほんとにいい声をお持ち、ってこと。本物のカントリーシンガーも顔負け!
特にコリンなんて、アイルランド人ですよ。そんなのおくびにも感じさせない、アメリカンな男になりきっているところもエラい!
今まであまり好きじゃなかったコリンだけど、この映画のコリンには、座布団3枚あげちゃう!
↓は、この映画の撮影中の映像です。
で、この映画の主役のジェフ・ブリッジスのことーーー
ジェフといえば、“映画史上最もドキドキするラブシーン”を披露した「恋のゆくえ」の頃から大好きな役者。

「ザ・コンテンダー」での大統領役や、「シービスケット」の馬主役など、近年は人間味が加わって、ひと回り、器の大きな役者へと成長した。
でも、素晴らしい才能があるのに、ハリウッドで「最も過小評価されている俳優」とまで言われてきた。
その彼が、ようやく満を持してのオスカー受賞!我がことのように嬉しかった!
ジェフはかつて「アクターズ・スタジオ・インタビュー」でも語っていたように、素晴らしい愛妻家。
ホストのジェームズ・リプトンの有名な10の質問のひとつに、「What turns you on?」があるのだが、他の役者たちは「首」(byヒュー・グラント)とか「生な感じのもの」(by アンジェリーナ・ジョリー)とか、曖昧に答える中で、彼だけは「妻のスー」と恥じらうことなく答えたものね。その笑顔がくったくがなくて、その彼を客席から見つめるスーがまた余裕たっぷりの大人目線で。。。。
ちなみに彼らは1977年に結婚、3人のお嬢さんに恵まれている。幸せそうな家庭が想像できる。
話が少し脱線してしまったが、「クレイジー・ハート」の肝はというと、ずばり「アメリカ」なのね!
何がアメリカって、描かれている人間たちの大らかさというか。
確かにバッドはアル中の落ちぶれシンガーで、結婚にも失敗し、人生の深刻な問題をいっぱい抱え込んでいる。でも、テキサスに帰れば、広い家も持っているし、彼が倒れたら助けてくれる人もいる(ロバート・デュバルが心憎い名演!)。
そして、何と言っても素晴らしいのが、彼が車で旅するアメリカの原風景。
広大な山々、その間を縫うように走っている雄大なフリーウェイ。その上には、真っ白な雲と夏の蒼い空が広がっていて。。。。そこに漂う乾いた空気までもが匂ってきそうな映像が、もう、私にはドツボだった!
今のアメリカでも失なわれているかもしれない、アメリカへの郷愁を描いた映画と言えるかも。主人公がカントリーシンガーだということもそれを象徴しているしね。
「クレイジーハート」。
私の心にじわっと沁み入って、忘れがたい作品になりました。。。。
皆さん、ご存知のように、今年は私、いろいろありまして、正直、映画館に通う回数がガタ減りだった。もう1つ、3D映画が増えたことを始めとして、アメリカ映画がつまらなくなったことも、映画館への足を遠のかせた理由でもあった。いや、面白いアメリカ映画もちゃんと作られているのだが、日本の配給会社はヒットの見込みのあるものしか買わないし、公開しないので、低予算の単館系作品は以前よりもぐっと減ってしまったのだ。
そんな中で、ジェフ・ブリッジスが今年のアカデミー賞主演男優賞をとったので、公開されたのが「クレイジー・ハート」。もしも、賞がとれなかったら、これもDVDストレートだったらしい。
で、これが私の今年のNo.1!

( ↓ 以下、ネタバレご注意!)
ジェフが演じているのは、中年の落ちぶれたカントリーシンガー、バッド・ブレイク(名前からして凄い!)。
アル中で酒と煙草が手放せない、見るからに危なっかしい生活。
でも、地方にどさ回りで行けば、いまだに伝説のカントリーシンガーとして、ファンから温かく迎えられて、けっこう人が集まる。
会場はボーリング場の片隅とかだけど、ローカルなファンたちは彼の歌を心から楽しんでいる。
このあたり、アメリカの地方特有の雰囲気がよ~く出ている。
そんな中、若いシングルマザーの新聞記者が彼に取材を申し込んでくる。
それが、マギー・ギレンホール扮するジーン。
母性愛たっぷりでセクシーな魅力もある彼女に、やんちゃな子供みたいなバッドが惚れるのはまさに予定調和だし、この恋が危うくて長続きしないことも観客には読めてしまうのだけど、それを割り引いても、このドラマは、人間を見る目が温かくて、人間の善性を信じているところが素晴らしい。
バッドの弟子で今はカントリーシンガーのトップに上りつめたトミー・スウィートとのドラマもまた泣かせるんだわ。
バッドは破格のギャラに惹かれて、トミーの前座をつとめるんだけど、このステージに突然トミーが現れて、サプライズ・デュエットを披露。そして、大勢の観客たちに、自分の師匠であるバッドへの感謝を述べて、バッドの歌をじっくり聴いてくれ、と紹介するわけ。
やがてトミーは、自分が歌う曲を彼に作ってほしいと依頼してくるの。自分が歌えば大ヒットするし、バッドのキャリアにもプラスになるわけで、要するにそういう形で、バッドに恩返ししたいと思ってるわけ。
こんないい人って、今までのアメリカ映画に出てきたっけ?ていうほど、このトミー、私の中で高ポイントをゲット!
演じているのが、あのコリン・ファレルというところも、サプライズ。いや、このギャップがまたいいんだ。爽やかなナイスガイ役から最も遠い位置にいる人が、まさかの好演、しかも友情出演なのか、ビリングには名前なしです!
(で、付け加えると、バッドがトミーのために作った曲としてラストに出てくるのが、「The Weary Kind」。見事、アカデミー賞主題歌賞を受賞!実際に作ったのは、T=ボーン・バーネットとライアン・ビンガム)

特筆すべきは、ジェフもコリンもほんとにいい声をお持ち、ってこと。本物のカントリーシンガーも顔負け!
特にコリンなんて、アイルランド人ですよ。そんなのおくびにも感じさせない、アメリカンな男になりきっているところもエラい!
今まであまり好きじゃなかったコリンだけど、この映画のコリンには、座布団3枚あげちゃう!
↓は、この映画の撮影中の映像です。
で、この映画の主役のジェフ・ブリッジスのことーーー
ジェフといえば、“映画史上最もドキドキするラブシーン”を披露した「恋のゆくえ」の頃から大好きな役者。

「ザ・コンテンダー」での大統領役や、「シービスケット」の馬主役など、近年は人間味が加わって、ひと回り、器の大きな役者へと成長した。
でも、素晴らしい才能があるのに、ハリウッドで「最も過小評価されている俳優」とまで言われてきた。
その彼が、ようやく満を持してのオスカー受賞!我がことのように嬉しかった!
ジェフはかつて「アクターズ・スタジオ・インタビュー」でも語っていたように、素晴らしい愛妻家。
ホストのジェームズ・リプトンの有名な10の質問のひとつに、「What turns you on?」があるのだが、他の役者たちは「首」(byヒュー・グラント)とか「生な感じのもの」(by アンジェリーナ・ジョリー)とか、曖昧に答える中で、彼だけは「妻のスー」と恥じらうことなく答えたものね。その笑顔がくったくがなくて、その彼を客席から見つめるスーがまた余裕たっぷりの大人目線で。。。。
ちなみに彼らは1977年に結婚、3人のお嬢さんに恵まれている。幸せそうな家庭が想像できる。
話が少し脱線してしまったが、「クレイジー・ハート」の肝はというと、ずばり「アメリカ」なのね!
何がアメリカって、描かれている人間たちの大らかさというか。
確かにバッドはアル中の落ちぶれシンガーで、結婚にも失敗し、人生の深刻な問題をいっぱい抱え込んでいる。でも、テキサスに帰れば、広い家も持っているし、彼が倒れたら助けてくれる人もいる(ロバート・デュバルが心憎い名演!)。
そして、何と言っても素晴らしいのが、彼が車で旅するアメリカの原風景。
広大な山々、その間を縫うように走っている雄大なフリーウェイ。その上には、真っ白な雲と夏の蒼い空が広がっていて。。。。そこに漂う乾いた空気までもが匂ってきそうな映像が、もう、私にはドツボだった!
今のアメリカでも失なわれているかもしれない、アメリカへの郷愁を描いた映画と言えるかも。主人公がカントリーシンガーだということもそれを象徴しているしね。
「クレイジーハート」。
私の心にじわっと沁み入って、忘れがたい作品になりました。。。。