お見事! | 映画とネコと、私の好きなもの。

お見事!

あのトム・フォードの初監督作「シングルマン」を見に行く。
かねてから評判が高く、ごひいき主演俳優コリン・ファースがこれでオスカーにノミネートされた他多くの映画賞を受賞していること、大好きな「アバウト・ア・ボーイ」でヒュー・グラントと共演していた少年俳優ニコラス・ホルトが成長した姿を見せていることなど、注目点が多く、早くみたいと思っていた作品。

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ああ、久しぶりの堪能感。。。。!
大人の知性あふれる人たちが集まって作った、落ち着きと品格がみなぎり、美しいアートに昇華している作品だった。
ほんとに、映画のよさを久しぶりに満喫した。
しかも、ラストは、個人的な理由もあって号泣、でした。。。。

テーマは「人間の生と死」。って一言だけでかたづけると何かコーニイな感じに響いてしまうけど、全然そうじゃないの。
16年連れ添ったゲイのパートナーを事故で亡くした男の一日を丹念に描いていくことで、彼の悲しみ、絶望、孤独が浮き彫りにされていくの。
で、映画の描き手が彼を見つめる視線も立ち位置も常に抑制されていて、冒頭からエンディングまで全くブレない。すごいです、トム・フォードの才能に脱帽!
もっと浅い、ビジュアル重視の映画になるかと高をくくっていたのだけど、嬉しい誤算でした。
こういう、本当に優れた映画がまだ作られることの幸せ、それを見れることの幸せをしっかりと感じたひとときだった。

もちろん、60年代のファッションも楽しめるし。
主人公の大学教授が暮らす、南カリフォルニアのグラスハウスのセンスの良さにもしびれましたよ。
あんな家に暮らしてみたいなあ。。。$映画とネコと、私の好きなもの。