ジリジリと暑い夏も、
少しずつ気配を変えていく。
夜道を歩くと、どこからともなく
聴こえてくる秋の音色。
そう。
鈴虫たちの合唱が、
チロチロと始まりつつある。
きっと多くの人が、目を閉じ、耳をすませて
この音色を子守唄にして来たのだろうと思う。
モチロン、わたしもその一人。
この音色は、とても不思議で、私にとっては
これまでの様々な温かい記憶へ導いてくれる音。
安心しておふとんにくるまり、耳をすませると…
ある時は、大好きな祖父に頭をなでられ眠る夜。
ある時は、ゆったり家族団らんのリビング。
ある時は、心友だったペットの温もり。
ある時は、愛しい人との真夜中のお散歩。
今ここにいる人はもちろん、
ここにはいない大切な人のもとへも
瞬時に連れていってくれる音。
まだまだ、たくさん。
思い出すこともできないくらいの
温かい記憶のゾーンにワープする。
でもそれは同時に。
ここにはいないということを
強烈に感じてしまうことでもある。
生々流転。
すべては進み続け、変わり続けるのだ。
そんなことを改めて、ぼんやり思う。
だからなのか、秋はいつも少しさみしい。
とても温かいのに、泣きたくなる。
多分、秋の私は、他の季節より泣き虫だ。
そうだ、秋の音色に紛れて、
私も一緒に鳴けばいいのか。
そんな音を持つ秋は、魔法の季節のように思う。
そして、私は秋に生まれた子。
あと1ヶ月ほどで、お誕生日がやってくるよ。
私も進み続け、変わり続ける。
いつだってみんな、道の途中ね。
(画像は2週間前の内海花火大会。
儚き花の美しさよ。)
