日銀が金融緩和をしてから「マネーストック」という言葉を聞くようになりました。よく似た言葉で
・マネーストック ・マネタリーベース ・マネーサプライ

という言葉があります。
よく質問を頂きますので解説を致します。

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まず「マネーサプライ」は「マネーストック」と同じ意味です。のでマネタリーベースとマネーストックについて解説します。

■マネタリーベースとは

= 日本銀行券発行高 + 貨幣流通量 + 日銀当座預金

これは日銀がコントロールできる範囲でもありますので
「ベースマネー」「ハイパワードマネー」
と呼ばれる事もあります。

マネタリーベースが日本円発行の総量を示しています。


■マネーストックは
全体に供給されている通貨の総量」のことです。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(金融機関・中央政府を除いた経済主体)が保有する通貨(現金通貨や預金通貨など)の残高です。
(以下出典日銀HPマネーストック統計の解説 (boj.or.jp)



上記が金融商品全体を図で表したものになります。
マネーストックはM1、M2、M3、広義流動性の4つに分類して見る事があります。

M1= 現金通貨+預金通貨(預金通貨の発行者は、全預金取扱機関)
M2= 現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(預金通貨、準通貨、CDの発行者は、国内銀行等<マネーサプライ統計の M2+CD対象預金取扱機関と一致>)
M3= 現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(預金通貨、準通貨、CDの発行者は、全預金取扱機関

※準通貨とは 定期預金 、据置貯金、 定期積金、外貨預金
※CDとは譲渡性預金
※※M2とM3の違いは「M2」が預金通貨、準通貨、CDの発行者が国内銀行等に限定されているのに対し、「M3」は全預金取扱機関が集計対象になっていることです。
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私たちがマネーストックを見るときは「M2」または「M3」を気にするのが良いと思います。

しかし、「M3」は新しい指標だけに「長期の時系列が存在しない」ため、前述のとおり日銀では展望レポートに「M2」を用いているという状況です。

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まとめ、
・マネタリーベースとはやり取りしているお金の総量、に対して・マネーストックはそのお金のどの様な形で持っているのかを示した総量の事です。

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次回は
日銀が「マネタリーベース」を増やせば、民間銀行がそれに応えて融資を増やし「マネーストック」が拡大し、社会が好景気になるのか。について書きたいと思います。