小学校六年生の時、友人の家に遊びに行ったある日のこと。


何かに夢中になって遊んでいると、キッチンからものすごくいい香りがしてきた。


ふ~んわり甘くバターの香り。ケーキ屋さんと同じ匂い。
この香りに包まれて眠りについてしまいたいと思うほど、幸せな香り。



それからしばらくして、友人のお母さんがおやつを部屋に運んできてくれた。
お皿に並んでいたものは、黄色くふわふわ、まだ温かい。
そしてさっき、キッチンから漂ってきた同じ香りがする。


早速一口頬張ってみて、その美味しさ驚いた。
あの衝撃。今でも忘れられない。


思い返すと、幼いながらに手作りの美味しさを理解したように思う。

濃厚なバターの香りが広がると同時に、ふんわり優しい甘みと卵味にほっとする。


できたての温かさはもちろんだけれども、友人のお母さんの優しさと愛情をヒシヒシと感じる温かさもそこにはあった。


 

そんな思い出の味。「カトルカール」。
パウンドケーキの基本。


バター、卵、薄力粉、砂糖をすべて1:1:1:1の割合で作る、フランス ブルターニュ地方発祥の家庭の定番おやつ。


幼いころの食の記憶ってものすごくインパクトがあり、大人になっても残る。

パウンドケーキを焼くことがすでに小学校低学年のころから好きだったけれど、この出来事でさらにそれが増した。


大人になった今、たまにこれが無性に食べたくなる。


その時必ず思い出す記憶はこの温かい思い出なのでした。


ということで久しぶりに焼いてみました。



レシピは→こちらへどうぞ…♪



手作りのお菓子が作れるお母さんに私もなりたい。
そう思った幼い日の感動した記憶。


毎日ママを頑張ってる皆さん。
是非お料理に力を入れていきましょう!