ポケット線量計に鉛カバーを付けて数値を軽く見せようとした、
原発作業員の被曝隠し問題。
保安院からの改善指示に対して、東電が報告書を出してました。
福島第一原子力発電所における下請け従業員における
警報付きポケット線量計(APD)不正使用の可能性に係る放射線管理について (東京電力)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120813j0801.pdf
線量計算の数式が色々書かれてますが。どうせ理解出来ないので飛ばします。
今の福一で、線量隠しが危険な行為である事くらい誰でも判るので。
皆が知りたいのは「再発防止」についてですよね。
東電が言う対策は以下。
①胸の部分が透明の防護服にする
②抜き打ち検査等、作業現場での確認。また保安教育の徹底
ただし、①については
●不正を働くインセンティブ(誘因)は高線量域なので、3mSv以下は対象としない
●タングステンベスト等を着用した場合は、胸部を確認出来ず、
またベスト着用によって線量が軽減され不正のインセンティブも働かないので対象としない。
また、現状の線量管理システムの問題点とされるのは以下。
①現状では東電は、各業者から送られる線量データを管理するのみ。
東電が能動的に不正を察知するシステムになっていない。
②ガラスバッジを採用している業者の場合、双方の比較から不正を割り出せるが、
以下の場合には発見が困難。
・線量計とガラスバッジの双方に不正が行われた場合
・ガラスバッジを採用していない場合
これについての対策。
①について
●ガラスバッジより線量計の値が20%以上低い場合は個別に確認する
ただし、不正を働くインセンティブは高線量域なので、
年間50ミリを考慮して月5mSv以下は対象としない。
②について
●組織的に不正が行われない限り、個人の不正は集団の中で得意な数値となって現れる。
その為、各業者で線量を評価する際に得意なデータが無いか確認・送付してもらう。
50%以上の数値のバラつきが見られた場合、合理的な説明が為されなければならない。
以上が東電が立てた対策、なのですが。
まあムリでしょうね。これで再発防止するの。
だってこれ、防護服の胸を透明にする以外、実質何もしないのと変わりませんよ。
問題点①・②の対策も、各業者に依存する方法なので解決になってません。
東電が自分で言うように、能動的に不正を察知しないシステムはそのまま。
組織的に不正が行われない限り、って。不正は組織的に行われるもんでしょうが。
また「インセンティブ」という横文字が頻繁に使われてますが。
言葉の意味を判ってません。
「線量を隠したい理由」が問題でしょう。
線量限度に達すれば仕事を失うのだから、これは別に高線量域に限った話では無いです。
面倒くさいので端的に言うと、
東電は収束作業にあたる作業員を全員直接雇用すべきです。
当然それなりの待遇が求められますね。
また作業員の生涯に渡る医療保障を、国の方針として明確に示すべき。
日本の為、命懸けで作業にあたる人々に最大限の敬意を示せ、ということです。
それなくして防護服をコチョコチョいじっても、再発防止なんてムリですよ。
ところで日経の以下の記事ですが。
強い調子で批判してますね。
でもでも最後に、
原発を使い続けるにはこうした労働の実態を改める必要がある。電力会社には原発作業を担う多層の下請け構造にメスを入れ、作業員が自らの被曝を隠さずにすむ仕組みに変える努力を求めたい。
・・・あのー。知ってますよね。
被曝労働を否定すると原発が成り立たない事。
経済紙なんだから、知ってますよね。
知ってて言ってるのかな?
被曝を隠さなくても収まるように、線量限度を上げろという事かしらん?
それとも海外から労働者を連れて来いとでも?
よく判りませんけど、
思う所があるならハッキリそう書いた方が良いですよ。
東電といい日経といい、どうも本気で考えてると思えません。
★8/24追加
今回の対策、ダメ過ぎて保安院もOK出さなかったようです。
東電の再発防止策は不十分 被曝隠しで保安院 (朝日)
http://www.asahi.com/national/update/0820/TKY201208200405.html
当然っちゃ当然ですが。
でも「口頭で指示のみ」って、やっぱり甘過ぎ。
保安院も本気度の低さではドッコイドッコイですね。
