「はぁ…」
何度目か分からないため息
バーのカウンターで1人で虚しく酒を飲む
マスターは顔見知りで
来る度に呆れながら酒を作ってくれる
「マスター…お願い…」
「麻衣ちゃん、いい加減やめなよ」
「うるさい…」
「はぁ…そんなウジウジしてるから次の恋人出来ないんだよ」
…彼女…そんなの…
『…ななだけ苦しい思いせないかんの、』
『だから、それは…』
『ハッキリしてや!もういい…』
『っ、七瀬!』
『麻衣に…ななは必要なみたい、ばいばい…』
「…私は…七瀬だけでいいの…七瀬が…いいの」
マスターはため息をついて
「この1杯で終わり、いいね?」
「ケチー!」
「もっと飲みたいなら、しっかり七瀬ちゃんに連絡取れ」
「うぅ…」
「どうする?もしかして怖いの?」
う"〜…ムカつく
でも、もっとムカつくのは
こうやって機会を与えて貰わないと何も出来ない自分
でも、この上から目線の顔…マジムカつく
「…LINEくらい…簡単だし…」
アプリを開き、あの子のトーク画面を開く
「ん"ん"ん"〜…なんて送ろう…」
「そんなん何でもいいんだよ」
「他人事だと思って適当に言いやがって!」
「他人事だし」
「くっそ…えーっと…こん、に…ち…うぇ?!」
間抜けな声が出て少し恥ずかしくなる
いや、でもこれは仕方ないよ?!
だって…ずっと…ずっと未練タラタラで
自分でも困るくらい大好きな人から電話がかかってきたんだから、
「ま、まますたぁ!!」
「ママスタってなんだよ…え?!早く出ろ!」
「で、でもっ!!!」
「ばか!切れるだろ!」
と、マスターが勝手にボタンを押して
「あ…もしもし…?」
「っ…七瀬、」