7年前に書いた作品の再々演だという『太平洋食堂』。
嶽本の力作である。
明治時代に本当にあった理不尽な事件を題材にしているが、現代の異様な空気に通じるものがある。
今回新しく入れたという最後の弁護士の台詞が奮っている。
弁護の内容は納得出来るものだけに、死罪の現実を思うと、
正義が政治に負ける瞬間を、見たようで、やり切れなかった。
アフタートークで、そんな感想を語りながら、私の祖父が近衛兵だったこと、
チエノブイリ事件の後旧ソ連に行った話など、コロナ禍だからこそ注視しなくてはならない国のあり方なども話した。
嶽本は前に私が主宰した劇団にいたこともあり、私の作品を清書してくれたこともあります。女性劇作家同士の悩みなども話しました。
作品の中でもっと女性を登場させて活躍させてほしいとお願いしました。
時代設定が古いと、どうしても意見をいうのが男性になってしまいがち、そこを工夫できるかどうかが女性作家の腕ではないか?と考えている。
『太平洋食堂』座・高円寺 (同時上演『彼の僧の娘』12/6まで)
https://taiheiyousyokudou.com/