時間がない中作った俳句を酷評されて落ち込んだが、生け花はなんと特待生に選ばれてしまった。

どんな番組でも緊張してしまう私ではあるが、この番組は特に緊張してしまう。

若い頃から戯曲を書いてきて、言葉を紡ぐプロのはずであるのに、俳句は本当に難しい。

銀杏の葉が落ちるベンチの写真で作る句ということで二作作ったうちの一句をスタッフが選んだ。銀杏は中村屋の紋である。やはり勘三郎さんを思い浮かべる。そして、銀杏は黄色いキ印を連想もしてしてしまう。これは良い意味でなのだが、「ロコへのバラード」で主人公のロコを銀杏並木の間から登場させたのは、そんなイメージもあり、あの独特の匂いも歌の内容に加味したかったからだ。

男の木と女の木があり、二つが交配しないとギンナンも実らない。

自分の人生も振り返り、思いを込めた一句であったが・・・

シンプルが苦手な私の言葉の訓練にまた俳句を作ってみたいと思う。

生け花は秋の収穫をイメージして、赤から黄色までのグラデーションにこだわった。先生からありがたいお言葉をいただき感激であった。

やはり、人に褒められるのは嬉しいものですね。

伯母が小原流の師範の資格を持っていて、母に時々生け花を教えていたのを思い出す。

私はその当時高校生で、花を切るという行為が残酷に思え、指導を受けなかった。

しかし、牛も豚も殺して食べているのに、花が可哀想だと思う自分の偽善に気が付いてから花を切れるようになった。

すでに切られて売られている花ばな。それをより美しく飾る方がまだ愛があるのではないだろうか?

ゴッホの向日葵の黄色を感じながら黄色を活けた。ゴッホの痛みを感じながら。