関西で活躍する劇作家の戯曲賞の審査員を22年間やっています。

22回目の審査に行ってきました。

元、雑誌「新劇」の編集長、岡野宏文さんも還暦で、戯曲賞の主催者たちが二人の

還暦祝いにケーキを特注してくれていました。

食べるのがもったいなかったです。






審査の様子をカメラマンの夜光さんに撮っていただきました。

いつも何時間もかけて丁寧に審査します。

今回は「ガーデン」の稽古が朝から21時までなので、11本の戯曲を読むのは

本当に大変で、もう審査は出来ないと、OMS戯曲賞の仕掛人で関西の演劇人の世話役といっても過言ではない小堀純さんに電話してしまったくらいなのですが、どうしてもということで、徹夜を重ねて

行く途中の新幹線の中まで使って読み込み行ってまいりました。






上は審査員の生田萬さん、鈴木由美さん。

私、佐藤信さん、鈴江敏郎さんです。

下の写真には岡野宏文さんと小堀純さん九鬼陽子さんが入っています。


信さんと私が22年間審査員を続けています。


審査は本当に大変なのですが、ここから多くの優秀な劇作家が育ち、

面白い作品を沢山作っています。

女性の面白い劇作家も沢山活躍しています。


私は新幹線で日帰りでした。他の皆さんは受賞者を含めた若手の劇作家たちと

懇親会をして一泊して帰るのです。

私は仕事と重なり、懇親会には滅多に出席できません。

関西の劇作家たちと演劇の話がしたいのにとても残念でなりません。


今回は疲れすぎて、公開の選評で感情過多な発言をしてしまい後悔しています。


毎年候補に上る常連の作家たちの新作を読むのが楽しみなのですが、

今回は女性劇作家のシュールな作品が心に残りました。

母親が介護施設に入り、自分が東京にいて母に何もしてやることが出来ない負い目や辛さが

新人たちの作品の中の台詞などに重なり、感情が爆発してしまいました。

一本一本力を込めて語らなければ、作家に失礼だという気持ちもあります。


18年前に書きあげた「ガーデン」に寄せる自分の感情と稽古の大変さ。

予算の関係で衣裳小道具などをみんなで作らなければならない大変さなど、

好きでやっているはずなのですが、やはり芝居作りは苦労が多いです。

報われるのはお客様に喜んでいただけたとき。


作る苦労を知っているだけに中途半端な審査は出来ない。

しかし、自分の公演もある。いやあ・・・本当に大変でした。

泣きました。