今月演舞場で上演中の新派公演17代、18代勘三郎
追善公演の中で「思い出を語る」ゲストの一人として
21日に出演させていただきました。
17代と18代の思い出を少し語らせていただきましたが、
18代は思い出を語るにはまだまだ生々しく、やはり喋っていると
泣いてしまいます。
本人が大笑いできる話をしようとして緊張してまとまりませんでしたが、
話を聴いて大受けしてくれそうな本人がいないのが、やっぱり寂しく
辛いですね。
しかし、息子さんたち本当にけなげで、ハートのある良い演技をしてくれています。
数々の高いハードルを飛ばなくてはならず、本当に大変だろうに笑顔を絶やさず
頑張る兄弟に拍手です。
久里子さんも15歳の役を初々しく演じておられました。
勘三郎さんの「鶴八鶴次郎」を初めて観た時に、「女性差別だ!生きる道は女性自身に決めさせてくれ!」
と楽屋で抗議したことを思い出しました。
「京舞」は芸一筋の女性を支える夫。両極端の芸の話の二本立てでした。
「一生友達だよ。いいかい?一生だよ。」勘三郎さんはかつて私に三回念をおしました。
30代で一回。40代で一回。50代の前半に一回。の三回です。
どうして念を押したのか?
歌舞伎の世界とアンダーグラウンドの小劇場の距離というものを私が感じてしまっている時に
彼はそれを察して言ってくれていたのかも知れません。
私をアーティストとして接してくれた稀有な存在、勘三郎さん。
行き場のない思いを抱えながら、それでもくじけずに頑張ります。
実は勘三郎さんより永井付き合いの小山三さんです。
兵士として満州に行った、
戦争中の体験の取材もお願いしたことがあります。
94歳できちんとした演技で会場を沸かせて下さいます。