近所の垣根の白薔薇です。
今日は蟹江敬三さんのお別れ会でした。
私が18歳で上京した時に、新宿の映画館の閉館の後に上演された
「盲導犬」を観たのが劇団を始めるきっかけになりました。
唐十郎作、蜷川幸雄演出で、主演が蟹江敬三、石橋連司、緑魔子でした。
本当に感激し、ショックを受けました。
その年か?翌年?大映撮影所に沢田研二と李礼仙主役の唐版滝の白糸を観に行ったときに
客席の真ん中に蟹江さんが座っておられ、私は無謀にも声をかけたのでした。
「盲導犬素晴らしかったです。」と。蟹江さんは「どうもありがとうございます。」と18歳の私に頭を下げてくださいました。
シャイな私が、生まれて初めてスターに声を掛けてしまったのでした。
あの舞台を観なければ、私は劇団を旗揚げすることはなかったと思います。
石橋さんと魔子さんとお話ししましたが、石橋さんは時代が切断されたような気がする。
しかし、あの甘美な時代を共有したという事実は確かにあるのだと言っておられました。
ああ。昨日のことのように甦るあの舞台。そして、叫ぶように歌うように宇宙にこだます、あの声。
稀有な先輩をまた亡くしてしまいました。もったいなくて、残念です。
自分に本当にきびしかった蟹江さん。蟹江さん。
久世光彦さんのドラマでご一緒した時も、本当に楽しかったですね!