立て続けに初日の舞台を観た。来週から岩手ロケが始まり、11月まで東京に帰って来られないので、
観たい芝居をスケジュールを計算して観なければならない。
ルーマーズは二ールサイモンの一人ひとりの人物が良くかけているコメディ。
黒柳徹子さんの舞台を拝見するのは初めてである。いつも仕事と重なって拝見できなかったので楽しみに出かけた。
ルテアトル銀座はもうなくなってしまうらしい。様々な思いでの詰まった劇場が、老朽化もしていないのに壊されてしまうのは本当に寂しい。
大河内さんという演劇好きのプロデューサーが初め西武劇場だったころに大変な思いで立ち上げた劇場だった。
西武の経営者たちとの意見の違いで板挟みになってよほど苦しまれたのか・・・。
大河内さんは鉄道自殺をしてしまった。
私も大河内さんに色々な企画を依頼されていた。ジュリーを主役にチェーホフの「ワーニャ伯父さん」をやる予定でその演出も依頼された。打ち合わせの食事会の時に、生まれて初めて澤田研二さんとお会いしお話し、本当に緊張してワインを何杯も飲んでしまった。
まだ私は20代だった気がする。
「ルーマーズ」の出演者は全員が知っている役者たちだった。黒柳徹子さんの夫役の羽場裕一さんは同じ事務所だし、おかしな味で会場を沸かす大森博さんは元自由劇場で共演したことがある。
石田登星さんと平栗あつみさんは私が昔、「円」に書きおろした「川を渡る夏」に少年と少女役で出演していた。それがすっかりオジサンとオバサンになっていて感慨深かった。
茅島成美さんはドラマ「学問のススメ」で私が中学生の役をやった時のお母さん役だった。お父さんはポール牧さんだった。
かとうかずこさんも先日ドラマで共演したばかり。大笑いしながら拝見した。
そして、昨日は「悼む人」これは号泣しながら観ることになった。原作のある本を戯曲化したのは大森寿美男。昔300の劇団員で味のある役者だった。やはり少年役だった。それが今人気の脚本家になっている。演出は「バカヤロー」で同期監督だった、堤幸彦さん。
本当に久しぶりに終演後三人でゆっくり話した。
いまちょうどこういう芝居が必要だと思った。
手塚とおるさんが彼でなくてはできない凄い演技をしてくれた。大いに泣いた。
向井理さんも素直で嘘のない演技をしていて好感が持てた。
大笑いした翌日に大いに泣かされる。やっぱり芝居は生きることを支えてくれる。