２０２３年３月２１日は
さまざまなところで「最強開運日」と言われていました。
暦を見る立場の人間としてはこの意見に懐疑的だったのですが
本当に「最強開運日」だったのでしょうか？
まず最強開運日とされた理由についてですが
・天赦日
・一粒万倍日
・寅の日
が重なっていることから最強開運日とされました。
これを１つずつ解説していくと
＜天赦日＞
天の恩恵により何の障害も起きない大吉日とされる
＜一粒万倍日＞
一粒の種が万倍に増える吉日とされる
＜寅の日＞
虎が毘沙門天の使いとされる縁起の良い動物とされていたこと、「虎は千里行って千里帰る」ということわざから、お金が出て行っても返ってくる日とされる
となります。
このうち
・天赦日
・一粒万倍日
は暦注の「選日（せんじつ）」と呼ばれる部分です。
３月２１日を最強開運日と解説している記事をいくつか拝見しましたが
この日の他の選日について触れている記事は
私が見た範囲では見つけられませんでした。
３月２１日は同じく選日に＜三隣亡＞という大凶日が重なっていました。
三隣亡はこの日を用いて後日災禍が起きると隣近所も亡すとされる日です。
それに加えて
＜小犯土（こつち）＞と呼ばれる期間が重なっていました。
意味合い的には土用期間に近いのですが
土いじりは慎むべき期間です。
なので種まきにあたること（棟上げや開業など）をするには良くない日とされます。
最後に寅の日。
これはその日の干支のうち
十二支が寅であることを示しています。
十二支の中で金運とご縁が深い日とされるのは
寅の日と巳の日です。
寅の日は前述のとおり縁起の良さとことわざから
巳の日は巳（蛇）が弁財天のお遣い、化身とされるところから来ています。
正直なところ、はっきりとした明確な根拠は示されていません。
良いところだけすくいあげて、悪いところを言わないのって
何だかフェアじゃないと思うんですよね。
都合が良すぎるというか。
なのでツイッターではこの日を吉凶混合と書いていました。
伊藤恵利子/財の運気を回す@eriko_suimei
@Quena_Bokson 春分は暦注で見ても吉凶混合だなあと思う日なので、大開運日ではないなと思ってます…
2023年03月20日 00:57
そして暦注は選日だけではありません。
中段（十二直）、下段と呼ばれる部分もありますし
皆様にも馴染み深い大安、仏滅などの六輝（六曜）も暦注の大事な要素の１つです。
そうそう、二十八宿（宿曜）もありましたね。
お日取りをするなら
そこまで考えて選ばなければならないと思うのです。
なのに、これらの良い部分だけを取り上げて
「この日は開運日です」ってやってるのって
何だかなあ・・・って気持ちになります。
じゃあ私はどう見るのかというと
暦注から見て凶の要素をまずは除外します。
そしてその方の命式の日干支から見て
どのような作用がある日かを検証します。
次にその日がお客様にとってどのようなお日にちになるのかを
日にちで命式を出して検証します。
あと、四柱推命的なバイオリズムやタイミングももちろん見ます。
そんな作業を重ねて見つけたお日にちをいくつかピックアップして
どの日にするのかはお客様に委ねます。
その日を決めるのは私ではありません。
私にはお客様の人生を生きられないからです。
人の心にネガティブな要素は残りやすいものです。
選んだお日にちにこんな凶要素があると知ったら
やはり良い気はしないと思います。
お日取りをするということは
何かしらの勝負をかけたい日だと思いますし。
２０２３年は１月６日も開運日と話題になっていました。
天赦日と一粒万倍日が重なっていたからです。
この日は確かに凶要素が中段だけで
金銭の収納には良い日だったので
金運に良い影響のある日と言える日でした。
けれどもこの日がその方の日干支によっては
凶要素ともなり得ます。
あえて天赦日と一粒万倍日が重なるからという理由だけでこの日を選ばなくても
他にも運気の良い日は必ずありますから。
目先の派手な何かに気を取られすぎずに
自分だけのタイミングを見つけられると良いですね。
タイミング読みはコンサルのタイミング読み
もしくはセッションの９０分で承ります。
（セッションの場合は事前に必ずその旨を記載してお申し込みください）
四柱推命的な開運日の見方については
四柱推命講座の中級編、上級編でお伝えしています。
＜関連記事＞
・暦と干支
