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働きアリのブログ

働いても働いても遊べません

さて。

さては南京玉すだれ。


私は比較的、たいしたあだ名を頂かなかった。

名前で◎◎さんとしか呼ばれていない。


面白いあだ名がつく友人が少しうらやましい。

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電車に乗っていると、ある駅でたくさんの学生が電車に乗り込んできた。


高校生らしき男子がごちゃごちゃと。

たぶん、スポーツのクラブ活動の帰りか。


大柄な男子1が細っこい男子2をつつく。


「おー。□野。お前、今日、なんであいつらに『イタメ』って呼ばれたの?」



「あー。あいつら、おな中のやつ等」

言われたほうは、不機嫌そうに答える。



「◎◎女子かー。いいなー。かわいい子いたじゃん」



「先輩の彼女とか居るらしーぜ」

もう一人の男子3がうれしそうに会話に加わる。



「紹介しろよ。□野ぉーー」


おー。ボーイミーツガールか。

若いっていいな。


「だめだよ。あいつら、そんなに仲良くないし」


彼は終始、不機嫌そうだ。男女の仲とは言えない仲らしい。


「じゃーなんで、あだ名で呼ばれるの?」

そうそう。あだ名で呼ぶほど仲がいいってことでは?


「『イタメ』ってなんだよ?お前実は、ドSとか???」

「違うよ。もともと、あいつらが俺のこと、モヤシとか言ってたんだよ」

「ヲー。今もモヤシだ(笑)」


「それで、中2んとき、体育祭の前に足くじいちゃって、包帯巻いてたんだよ。そしたら、

『モヤシが足を痛めた』って言って」


「・・・それで、イタメか!」


うん。おばさんも納得したよ。


「□野、モヤシ炒め好き?か?」

「俺は好きかも」


仲いいな。君ら。がんばれ、イタメ君。

ホームに並んだ人が電車に乗込むと、とたんにバタバタと音がしだした。


階段の上で止まっていた人が解放されたのであろう。


全くここからは見えないが、そのうち、キャーと悲鳴が上った。
悲鳴は1回でなく、何度か。

時には、オーとか押すな、とか聞こえた。


椅子に座ってしまったので何も見えないが吊革に掴った人が振り向いて見ていた。

駅員の短いフエの音がし、話し声が大きくなった。

私の前に立った人が
「階段から落ちたみたい」と小声で教えくれた。

恐れていた通りのことを・・・・。


電車はそのままだったが、車内アナウンスが流れた。

「22時48分発、急行◎◎行き、ご乗車になってお待ちください。」
失笑が漏れる。


遅れてごめんなさい。


その程度の事は言おうよ。


何事もないように定刻だけ告げられても、乗客は困るんだよ。
現に、その時刻で動いていると世間に発表しているんだろう?


夫は路線のWEBで既に「運行復旧している」という情報だとメールしてきた。


嘘。


嘘もよくない。

こんな嘘ついて「定刻発車」もないもんだ。


インフラが整備されていない。運行側の意識レベルも低い。
そんな路線を選んだ私が悪いというのか。
公共輸送という立場が分かっていないんじゃないか?


「ただ今、ホームで怪我人が出ました関係で発車遅れています」

車内アナウンスが、やっと認めたか(笑)


出るべくして出た怪我人。

これは鉄道会社だけでなく、規制警備していた警察も問題有りよ。
怪我した人が一番かわいそうなんだけれど。


・・・・・・・・・。

携帯電話のメール。

「電車動いていないなら、車で迎えに行く」

まだ言うか。こいつわ。


「本とに勘弁して。もう電車、乗ってるし」


「と、何度聞いたか。いいから、車動かすよ」


「やめてよ。ほんと」

とは言え、本当に電車が動かない。



どんどん暑くなる車内で仕方がないので、本を読んでいた。


救急車が来たらしい。
怪我人が運び出されたらしい。


また、ホームがいっぱいらしい。

緊急停止ボタンだけは押さないでほしいなー。



・・・・・・・・・・。

メール。

「県道XX号線、大渋滞」
ほらみろ。


「だから。電車乗ってるから。頼むから家に居て」


「困ってるだろうから、迎えに行ってやろうと思ったのに」
始った。


「で、どこまで迎えに来るの?」


「途中のXX駅まで。電車動くんでしょ?」

!!!!
なんで、電車動いているのに、途中駅で下りて、車の渋滞に巻込まれなきゃいかんのだ?


「なんで、XX駅なの?」


「○○@駅だと、ほら、止めるところないじゃん」


大事な事だから2回言うね。

>>この人は自分のやりたいようにやり、相手の都合や気持など聞かずに、
>>「喜んでくれると思った」というヘマをやる名人だ。


で、もう途中まで来ているのか・・・。

どうかわすか・・・。


「わかりました。きっと、XX駅もひどい渋滞だと思うよ。さっき、○○駅前でもすごい自動車事故があった。とっても心配だから、家で待っていて。疲れたから、コーヒー淹れてて待っててください」


さっき、大きい駅で駅員が自分のところから責任が離れるように、言葉を放ったように・・・。
丁寧に選んでメールを送った。

どうか、これで諦めてくれ。


あ。そうか。これで電源を切ってしまえばいい。



後は知ったことか。都合が良くなったら、電源を入れればいい。

また私は重たい本に意識をもどした。



23時33分。
やっと電車が動き出した。
車両の中は熱と湿気で蒸れていた。酸欠になりそうだ。
誰かが窓を開けてくれていた。


車両が動き出すと速度に合せて新鮮な空気が入ってくる。
ほっとしたけれど、考えてみれば深夜である。



大きな川を渡って次の駅に着いた。
人もたくさん下りるが乗ってくる人も居る。


また次の駅に着いた。
運行が復旧して最初の電車らしく、速度はゆっくりなのだが、確実に本来の業務をこなしていく。



4つ位それを繰り返すと随分と車内が落ち着いてきた。

人越しに上り電車の様子をうかがう。

動いていないようだ。



気の毒に。



そうだ。
あのお婆さんは?もう居ない。

無事に家に辿り着いただろうか。



向いの座席に見覚えのある、おじさんが居た。
誰だっけか。向こうもこちらを見る。誰だっけか?



そうだ。
それどころではない。


家人はむくれていないか。

携帯電話の電源を入れてみると着信履歴もメールもなかった。


「今日は心配してくれてありがとう。夜道が物騒なので、駅までお迎えにきてください」
夫にメールを送ってみた。


「もう駅で待ってるよ」
と返事が来た。


いつから待ってるのか?と聞きたいところだったが、

「じゃぁ、帰りにアイスクリームを買って行こう。お腹が空いた」
と返事を送った。

妻業もけっこう大変なんだよ。これで・・・。


それから、いつもの駅に着いた。


足。


パンパン。


座っていてもこうなのだから、立っていた人はもっと酷いに違いない。


ホームに立つとまだ大勢の人が電車を待っていた。

上りホームは相変わらず動いていなかったが、それでも人が待っていた。


たくさんの戦友ともここでお別れ。


改札を通ると夫が待っていた。


随分と上機嫌だった。


それから、駅前のコンビニでアイスクリームをいくつも買込んだ。

駅前からそぞろ歩きで二人で帰る。


「大変だったねー」

「大変だったよ」
どう、大変だったか・・なんて言わなかったが。


「だから、今日は休んじゃえって」

はいはい。


携帯電話をバッグに入れようと思って、思い出した。


あ。


そういえば。引っ越して同じ駅になっていたはず。
さっきのおじさんは、前の会社の所長だった。


電源が切れて、一回、プゥーーと音がした。

一瞬時刻を見た。


24時40分。

午前様だった。


「明日は、休むよ。あ。もう、今日か」


その日。私の負けだった。


待っていた電車が動く。
別に電車に乗るのが、わくわくというわけではないが、やっと動く。


これで先が見えた。


家に帰れる。


コンコースからデッキに出るまで、私は随分、速足で歩いた。

いつも持ち歩いている万歩計はいくつだろう。


いいや。
いくつでも。

ついでに、朝買ったお菓子も、バッグのお供のキャンディもバクバク食べていたではないか。
何歩歩いても一緒だ。


それより、いい加減足が痛い。
どこか少しでも腰かけておくべきだった。


きっと、これから○○@駅からの電車は混雑していて座れるわけもないのだから。

駅前から少し車道を歩き始める。

私も含めて駅から始った競歩大会は路肩から随分と車道にはみ出ていた。


・・ッパァー!

渋滞で列を成している上にイライラしている乗用車からクラクションを鳴らされる人も出ている。


お車様、あまり競歩ランナーを刺激しなさんな。
皆、気が立っているから、大事なお車、蹴とばされるかもよ?


気の短い車がライトを上向きにして歩行者を急かせる。
あんだよ?

まー。相手にするほどこっちも暇ではない。

何せ、時間が決っている。
22時48分には、運命の始発電車が出る。


競歩大会の参加者はざっと100人から居たように見える。
もっと後にはもっと続いていたのだろうが。


踏切をまたぐ。

どうせ電車はまだ動いていない。
線路の端を見たが、まるで終電の後のようにひっそりしていた。


「でも、約束の22時48分発はきっとくる。」

それだけを胸に。

ときに車道にふくれながら、人同士で抜きあいながら、私たちは○○@駅に辿り着いた。



先程のやんちゃ騒ぎと違い、駅の改札はいつものこじんまりとした様子だった。
構内放送がスイッチが入ったままなのか、だだもれで聞こえてくる以外はたいして混乱をきたしていなかった。


私はごちゃごちゃした荷物の中から定期券を取出し、改札を通過した。

古くて頼りない階段を渡ると、狭いホームには人が溢れていた。

皆、もう、どうにでもしてくれという顔をしている。
先程の元気はもう無いように見られた。


22時45分。
列の後に並びながら、ホームから落ちそうになりながら、電車を待った。
列の頭のほうではお婆さんが必死に先頭を守っている。誰だか、連れの分の空間をその荷物で確保するのだが、あまりの人だかりはその荷物を蹴散らしそうであった。


「動きだした」という情報が流れたのか、階段の上に人が押し寄せる音がする。


22時48分。
この時間に電車は入線して、発車する時刻だった。

入線どころか、車両は一つも動いていない。
信号も赤のままだ。


階段の上ではドカドカと足音がしていたが、やがてピタリと止まった。
話し声がするだけである。

改札のほうを振向くとパトライトの赤が点滅している。
ここにも県警が来たのかもしれない。


22時55分。
お婆さんの連れが帰ってきた。娘さんか。とは言え、うちの親より上の感じだった。
良かったね。間にあって。


ホームの上に居るであろう人に向けて何やら説明がされている。
改札には再び人が押寄せてきている。


23時。
さすがに、どうよ。
日本の鉄道の時間の正確さは世界一と言うが。


「定刻発車」という著書を夫が私に読むように薦めたが、悪いが、全部読み切れていない。

いいんだよ。多少のズレがあったって。こまけぇことはいいんだよというアスキーアートの通りだ。


それより、いかに”止めないか?”そこを論じようよ。
そもそも、安全に国民を輸送するというところが論点なんだよ。目先の1・2分においてキャーキャー言いなさんな・・・といいたい。


見ろ。この惨状を。


この狭いホームの頭上の階段ではきっとロープで規制があるのだろう。
落ちそうでいて、それ以降、人が増えていない。


ただ、溜った人の不満は随分と膨れ上がっているに違いない。


23時すぎ。
やっと信号が変わった。

「電車、2番線に入ります。列を崩さずお待ちください」


え?

皆、1番に来ると思ってそうして列を作っていたのだが。

放送を受けて一斉に回れ右した。

図らずも私は列の先頭となって電車を待った。


23時08分。
入線した電車に乗込むことができた。
あのお婆さんは座れただろうか?


ぎゅうという音がするほど一斉に乗込む人の向こう側で座れなくてがっかりしているのでは?と心配した。
が、見えないほどの乗客だ。諦めてもらうしかない。



そうだ。

携帯電話の電源を入れた。
夫からメールが8件入っていた。

「電車動いているのに、何してんだ?」
以下、同様。


彼の頭の中では、もう動いていることになっているらしい。

「動いていないよ。今、乗込んだところ」応答メールを送る。


何してんだ?

その問いに答えてみた。


電車待ってるんだよ!

どうだ!驚きやがれ!!