中学受験と大学受験については大きな変化がなく、
ここ数年、淡々とという感じですが、
高校入試については、毎年、Wアカの一強が目立っているように感じます。
Sの弱体化というのが本質だと思うのですが。。。
開成高校の合格者の第一報が発表されました。
Sが18名
Wが103名
圧倒的大差になりました。
Sの初代社長が、Wの初代社長に、
「合格数を水増しせずに、正確に発表するように」と申し入れをしてから、
20年くらい。
もはや、そんな小さいことは気にしないくらいの差になってしまいました。
SvsWの対決は、勝敗を決した。という流れになってしまったので、
別目線でのメモ書きをしてみようと思います。
私がSに在籍をしていたころ、
当時の取締役から、2つの課題を出されていました。
1つ目の課題
開成高校の合格者数がS+Wで120を超えない。
このままでは、SとWで合格者の綱引きになってしまう。
単純に合格者占有率が増えないのはなぜか。
つまり、最初から学力の高い子がどちらを選ぶか。という話であって、
それぞれの塾が、募集競争になってしまっている。
子どもたちに3年間かけて、何をやらせるのか吟味して、
しっかりと合格数を増やす方法を考えろと。
簡単に言うと、受かる子は受かる。落ちる子は落ちる。
そこに、塾は安定剤としてしか、介在してない。
塾の力で合格させろ。ということでした。
2つ目の課題
Sがまだ合格者が80名で、Wが30名だったころ。
Sの合格者分布をみると、男子100位までで合格者が出るわけではなく、
120位くらいまでの中で合格者が出ていたのです。
でも、それ以下だと合格者はいませんでした。
一方で、120位までで合格者がでて、合格者が80名しかないということは、
30位くらいから、不合格者が散見されるのです。
合格者が80名いて、自分の子が30位なら、
保護者の方は「合格できる!」と確信して受験に行くわけです。
ところが、不合格になる子がいる。
これが、見落としだと指摘されたのです。
塾のデータは、正確であるべき。
30位くらいから不合格者がでて、
120くらいまで合格者が出るということは、
合格判定をしているテストの精度に問題がある。
と言われたのです。
すごい納得はしましたが、
1教室長、1科目長の僕に言われても。。。というのが当時の正直な気持ちです。
そういう大きな話は、教務部長とやってくれ。と。
思っているだけでなく、言ってしまう私は、初代社長に発言してました。
そしたら、「こういう問題はみんなで考える問題」と返答されて引き下がったのですが、
当時の教務部長も、他の各責任者も、「知らない」と言われ、
なんで俺だけ。と思った、若かりし頃。いまとなっては良い思い出です。
つまり、この話に大きな問題が隠れているのです。
高校受験におけるS+Wの戦いは、
優秀な生徒の囲い込みが出来ているのはどちらか。という問題で、
どちらの教材が上か。とは、別な問題なような気がしています。
教える力というのは、いろいろな生徒さんと接することでついてきます。
若い先生は悪いのでは無く、経験値が小さいだけなので、
本気で教えてくれる先生が多いです。
歳をとっている先生は、経験値が大きいので、
本気で教えてくれているようにみえず、
保護者が不満に持つことが多いようです。
得てして、世の中の真実は、見た目と逆であることが多いです。
話を戻します。
僕の昔話から、もうじき25年になってしまいますが、
変わっていないのは、S+Wの開成高校占有率。です。
開成高校の募集人数は100名ですが、
合格発表人数は全然多いです。
まだまだ、SとW以外の隙間が多いのです。
では、自分の開成高校志望順位が150位だったらどうするか。
SとWの生徒さんとちがう勉強方法をとるしか、合格する方法はないんです。
山登りをするのに、同じ道を上っていたら、
基本的には順位通りに山頂に到着します。
そして、山頂にはいれる人数には制限があります。
じゃあ、どうすればいいか。
違うルートから登るしかありません。
そのためには、遭難の危険が一気に高まります。
対応策としては、その山を知り尽くした山岳ガイドをつけるのがベストです。
それも、登山ルート以外から登ったことのある本物のガイドです。
保護者の皆様は、SかWの入室テストに受かったり、
上から2、3番目のクラスで満足してしまうかもしれません。
でも、先程も書きましたとおり、基本的には塾内順位通りに受かっていくのです。
これが正確であればあるほど、塾の価値が上がります。
生徒さんや保護者さんのプライドにもなります。
塾内順位を上に保てるポジションに入れたら、そのまま勉強を続けるべきです。
今日のブログは、
まさに今、小学5年生、中学2年生、高校2年生で、
順位が上がらない場合。
取るべき方法は2つしかない。ということを提示させていただきました。
死ぬ気で勉強して、塾内順位を上げる。
か
別ルートで山頂を目指す。
か
どちらかしか無いんです。
というお話でした。
それにしても、開成高校合格者120名は壁なんだなあ。
(第一報です。最終的には、昔からこえてます。)
S+W以外で合格している子がいるということは、
業界には、まだまだ気がついていない問題があるんでしょうね。