ここに、紅潮した色彩を隠し得ない者が、もう一人。
赤黒いものが、ハラハラと。
どこからともなく、浮かび上がってくる。
おそらくそれは、同じく密室発。
いや、正確には、密室誘発。
誘爆と、言ってもいいかもしれない。
それほど、みるみる赤黒いものが、幾筋もそそり立っていく。
誘熱されたものが、筋を立てて。
血管を上り、血管をぶち破り、上がっていく。
堪えきれない怒張は、ここにもあるのだ。
はらんだ超高熱を抑えきれないままに、さらけ出している。
色白な素肌故に、そのような光景がありありと。
もはや、顔にまで達し、紅くなっている表情。
薄絹のような、素肌から透ける爆発模様。
ささやかなものが度重なり、どのような紅よりも生々しい。
白さに指す、赤さが鮮やか過ぎる。
人目をそば立てるほどに。
少女の色味が最も結集された口元とともに、赤いメイクをおびただしく醸し出す。
それにしては、黒い成分も混じっているが、薄絹で薄まっていても、わかってしまうほどだが、全身に張り巡らされた特有の赤メイクは、表情に昇っていく。
赤く、黒く、白さとの対比をくっきりと浮かべて。
際立つ、天然のメイク。
少女のありのままの姿が生み出す色彩。
かつてないそれは、新鮮かつ、鮮烈。
焼き付いて離れないほどのものを、見る者の脳裏に残すほど。
情熱的な色彩が、立ち込める。
その温度感に、湯気さえ醸し出して。
はち切れんばかりの天然のメイクがこぼれて、それはそれで、色いっぱい。
赤く、黒く、白さとの対象が、引き立つ。
少女の輪郭を広げる、微細な成分ばかり。
それが、濃密。
少女の色香を稠密に立ち上らせて、そばに居る者の注意を引きつける。
広がっていく、少女の鮮やかさ。
小さな顔立ちから醸し出されるものが、豊富すぎて。
かつてない、少女の密度を辺りに。
誘われた熱は、間近でさらに昇華していく。
血流を昇らせ、薄絹の枠を透かして。
より一層、少女のメイクを拡げていっている。
その色彩、そばに居るものさえ、息を呑むほど。
それも、ため息さえ着けない心地。
あまりの色彩に、そのような余裕もなくしてしまう、男たち。
立ち上るモノは、豊潤。
男たちを、戸惑わせる成分そのもの。
量質ともに男たちの本能的な感覚を、とっさに反応させてしまうほど。
その綿密さに、二本の足を留めることもなく。
すかさず、ひっくり返ってしまう男たち。
ほうぼうへ向けて。
少女のメイクの高密度さに、後方に返ってしまっているのだ。
とっさに。
あまりの衝動的な反射運動に、受け身をとれず、悶絶する者が続出するまでに豊か。
それを感じた者が、色を失って見えるほど、引き立ちすぎている。
かのチームの、ただ一人の紅一点。
白一点から、紅一点に。
それも、賑やかに埋め尽くすほど。
小さな体に備わった少女の色香が、そこで咲き広がる。
そこにむさ苦しさはなく、一面の少女の高まり。
その紅潮メイクは、一帯に。
ただれるような甘さも、同時に。
仰け反るばかりの色彩は、なおさら。
今まで、少女の秘所で大切にされてきた成分が、盛大に。
生きているメイクは、もっともっと、辺りに。
そばでそれを見る男たちは、もはや型なしで。
腰も砕けて、尻もちつく有様。
そのまま床を転げて、後方に這いずり回るほど、刺激的。
紅のチームウェアよりも。
あまりの色彩に、感化されていく男たちが、たちどころに。
同じく顔を赤黒くし、「逃げろっ」とか放って、さも本気で。
虜となる様から、逃れようと、声を掛け合い、なし崩しになる時から、遠のこうとする。
こちらのほうが、煤に塗れている分、たどり着いてくるメイク模様を引き立てながら。
一際濃い赤黒い様相が、少女のそれに輪郭を与え、尚更よく見える。
ありありと。
赤く、黒く、香りも温度も振り切れて。
焦れるほどのそれに、大量の汗を流す周囲の男たち。
背中を向けながら、大マジで。
震えさえ、隠せずに。
禁断の色彩を後にしようと、這いつくばる。
背中に汗びっしょりで、あまりの温度感に蒸気さえ立ち上がらせ、それはそれはむさ苦しい匂いだから、少女のそれが繰り返し引き立って。
そのことが、ますます、禁じられたそこからの逃避行を加速させる。
汗でびしょ濡れの背中。
そこから流れる汗たちは、また、手足にまとわりつく。
温度感が超高くても、それは逃げるスピードを上げる程にはならない。
アスファルトに立てる肘が、汗により滑ってしまうから。
あまりに急いでいるせいもあり、勢いよく。
その度に、音が立つ。
ドスンと。
辺りで、特有の重低音が。
次々と。
あまりの激しさに、それぞれの音が相乗しあい、爆音にまで発展してゆく。
その後に、型くずれした男たちを残しながら。
アスファルトを繰り返し、軋ませて、辺りに立ち上る。
少女の色香が、増せば増すほど、より一層。
特有の爆発音が、一帯を叩く。
密室で誘発された少女のメイクが、鮮やかになる度に、重奏音を立てるほどに。
少女の真っ只中で、展開される数百人のアンサンブル。
それが、まだ声を上げない少女の微かさを、まざまざと。
少女の束の間の静寂を感じれば感じるほど、底冷えしながら、後退りしようとする男たち。
引き続き、滑って言うことを聞かない肘。
痙攣を起こしている肘では尚更、自由が。
結果、床に倒れ込む男たち。
ますます上がる、爆音。
生きた温度を持った者たちの音は、生々しい。
「逃げたいっ」という雄叫びが、差し迫った様を物語る。
震える腕を伸ばして、退路に手を伸ばし、その指先を見つめる目からは、赤黒いものを流しながら。
高熱のさなかでは、流れるものも、逆流していってしまうが。
その赤黒さですら、少女のメイクを引き立てて止まない。
連鎖は止まらず、リアルに感じられてしまう色彩。
「誰か、助けてくれっ」という声が上がるが、敵チームを助ける者はそもそもいないし、コースマーシャルの仕事はコースの危険を取り除くことだし。
ピットの時限爆弾には、誰も手も口も出さない。
密かな最前線が朱に染まるも、そもそも、そこ赤いし。
あまつさえ、南天直下の黄金が、そこを照らすことでさらに赤くなっているけど、
さらに、温度感が膨れ上がっているけれど。
メイクの一種だろうし。
であれば、レクリエーションみたいなものだし。
お色直しされ続けているピットへ立ち入るのも無粋。
それゆえに、南天名物のクライマックスに、何を差し挟むこともなく。
特有の温度と鮮やかさをもつアドバルーンに、甘くなるのみ。