殻のなくなったこの空間では、そのまま飛び立ってしまおう。
いいのかな?
いいさ。
行ってしまおう。
今更隠せない。
彼女があんなに笑顔でいてくるんだから、ずっとそばにいたい。
ずっと、彼女の中に飛び込んでいたい。
彼女のぬくもりを、ずっと感じていたい。
抑えることが、もったいない。
抑えてしまえば、あとで猛烈に公開しそうで。それこそ、闇でしかない。
光は、光は、今、彼女の笑顔にある。
だから、あそこまで、なるべく早く。
彼女の笑顔に応えたいから。
彼女が大好きで仕方ないから。
行くしかない。
行くこと以外、考えられない。
思うまでもなく、体が動いてしまうんだ。
大好きだ、大好きだって、体が起き上がってしまうんだ。
そのまま飛んでいってしまいそうなほどの勢いて、彼女の中に突っ込んでいこうと。
翼があるってこういうことなのかな。
こんなに体が軽い。
軽いことが、嬉しい。
嬉しいことで、溶けていく。
緊張も、臆病も、もういいんだって。
このまま彼女に託していきたい。
彼女の笑顔の中で、跡形もなく溶けて、混ざり合っていたい。
大好きだ。
大好きだよ。
ここで出会えた。
ここで、いっぱい話もできた。
でも、それだけじゃ足りない。
その笑顔がほしい。
その笑顔の中に入り込みたい。
その笑顔で、全部、溶かしていってほしい。
その過程で、何を奪われてもいい、ううん、もっといっぱい奪って心の中も、体の中も真っ白にしてほしい。
どうしようもないんだ。
このまま、このまま。
ずっと二人で。
誰も間に入れない位、混ざりあったままで、いよう。
その吹き受けるような目尻がたまらない。
どんなにこすりつけても、涼しさが入り込んでくるから、何度も体温で染めたくなって、結局、こっちが真っ白になってしまうんだけれど。
こすれば、こするほど、目尻が伸びていくから、こっちも色んな所が伸びて仕方ないよ。
なぁ、ここで出会ったんだろう僕ら。
なぁ、二人しかいないんだろう、僕ら。
なぁ、このままでいようよ。
なあ、お前の目、糸みたい。
真っ白な絹に、書かれたまつげの糸だ。
こんなもの舐めてやれ。
舐めて、舐めて、溶かしてやれ。
それでも消えない、お前の繊細さ。
消えないライン。
それを称える、白き素肌。
たまらないよ。
このまま舐めて舐めて、すりすりして、汚れるどころか、余計に輝いて。
前より、ずっと柔らかくなって。
前より、ずっと暖かくなって。
こっちは抑えようがないから、舐めてしまうのに、それじゃ、こっちが溶けちゃうじゃないか。
ああ、なんでだろう。
攻めてるはずなのに、こっちが大変だ。
お前のせいだぞ。
お前がそんなに、きれいだから。
お前がそんなに、白いから。
お前がそんなに、糸目だから。
お前がそんなに、伸びていくから。
お前がそんなに、ふやけていくから。
お前がそんなに、熱まみれになっていくから。
こっちまで、手や舌やいろんな下々が伸びていってアラレもないじゃないか。
あったかい。
あったかいよ。
全部、溶けて、目もあけられないけど、よくわかるよ。お前のぬくもり、やわらかさ、匂い、鼓動、ぜーんぶ。
僕が大好きなものが全部そこにあるんだ。
もう離さない。
もう離れたくない。
お前がどこかへ舞へ出かけていっても、張り付いていたい。
お前の服になって、ずっと、くっついていたい。
おまえの靴になって、踏まれてもいい。
なぁ、一緒にいよう、フィーレ。
こんなに一緒なんだから、今更離れたら隙間風が気になっちゃうからな。
全部、気ならないほど、一緒になって埋めていこう。