「めくるめく、熱い応酬。
太陽が、天頂を迎えている今。
熱くなっていくのは、路面だけではない。
フォーメーションラップとは、タイヤを温めるだけではない。
タイヤと路面以外にも擦れ合い、温め合う。
マシンが走り、胸の芯も走り。
彼方に、向かっていく。
音速を超え、光の速さで音を伝えていく。
それに合わせて、明るむピット。
太陽は同じく、ここも照らしている。
陽射しが、色の濃さを照らし、また、そこにある明るさをさらにライトアップしていく。
サーキットからこぼれそうな濃密さが、その度に。
公開放送で、サーキットを駆け巡る声。
お互いの胸の内を確認し合うかのように、響いていく声。
距離を隔てても、チームを隔てていても、それは高い温度を有している。
そのやりとりを聞く度に、鼓動を高めてしまうのは、私だけか。
いや、そうではないだろう。
観客のみなさんも湧いている。
電波の外から溢れて仕方がない温度に。
こらえきれない温度に、血潮を吹かせている。
ある少年の女性ファンは、そのやりとりにザワついてしまうが。
ある少女の男性ファンは、ひっくり返ることも辞さないが。
それもこれも、温度が上がっている証拠。
漏れてしまう声達は、確実に、観衆までをウォームアップさせております。
コーナーを曲がると共に、見えていく新たな景色。
立体交差の下のすれ違いざまでも、照らしてくれる太陽。
見る先見る先の景色が、天頂を宿らせて仕方がない。
それが、行き過ぎるときにも、熱を伝えてくれる。
たとえ、それが日陰の下であろうと、光は影さえも伝って。
熱を、はちきれそうなほどに伝えてくる。
その度に、ついつい白に近づいてしまう淡さ。
こぼれてしまう、煌めき。
漏れる、太く低い声。
それでいて、潤いのある声。
もう、光に照らされてしまって、艶にあふれてしまう声。
サーキットの広さの中心で、交わされる温度に。
溶けていく、ウェア。
さらけ出される、濃紺の中の淡さ。
その淡さが、募っていく頬。
スラリとした頬でも、その色の積み重なりは豊富に。
細い輪郭だから、募ったものがはみ出そう。
華奢な頬だから、崩れて仕方ない。
そんな様を、太陽は絶えず照らし続けて。
光る罪深さが、頬には鬱積しちゃって。
もう、あられ。
頬から広がる、淡さの募り。
色づいて崩れる頬は、溶けすぎて。
火照って仕方なくて、止められなくて。
ためらいがちにしていても、太陽は満面と。
そんなものだから、余計に染まっちゃって。
ますます、出来上がっちゃって。
めくるめくコース。
位置を変えても、飛び越えて、放射される熱さ。
五年間、ずっと。
他のレースクイーン達もかき分けて、一目散に飛び込んでくる火。
焚かれる色。
とろける色。
体の芯から、暖かくなって仕方がない。
サーキットという戦場で、見初めた熱さ。
こちらを向いていなくとも、いつも、伝わってしまう。
胸のフロントローの定番。
いつもまっ先に沸かせてくる。
背を向けていても、エリシットを鼓舞する熱さが。
背中を焼いて仕方ない。
思わず飛び上がってしまうけれど、それすらオレンジ一点が高揚していることに変わりない。
胸がごった返していることにかわりない。
熱い、熱すぎる。
クラッシュして、遠ざかっても、熱源をほとばしらせて、風システムすら熱してくる。
繰り出される風圧を、フレアにして跳ね返してくる。
それがまっ先に、胸を疼かせる。
クラッシュして遥か後方に下がっても、気になるのは熱源とのタイム差。
背を向けていても、背ごと宇宙の風で溶かして、胸の内をさらっていてしまうから。
蒸発さえさせて、高々と、天頂に向けて。
高く、高熱をぶつけてくる。
見たこともない景色のさなかへ、突き上げていく。
新鮮なんてものじゃなく、熱い。
そして、光ってる。
一面の景色も、景勝へと様変わり。
ただでさえ、高めなのに、天頂へと舞い上がらせていく。
チームが別なのに。
ウェアはこんなに濃いのに。
光熱は、すべて蒸発させてしまう。
おかげで、すっきりとする胸の内。
それでいて、広がる濃密な白さ。
火の玉に肉薄されては、もうどうしようもない。
火傷がたたって、抵抗しようもない。
メロメロ、メラメラ、どちらも選びようがない。
全部、気化して。
昇った先で、勝手に混ざって。
まとっているチームウェアも置き去りで。
そのまま、そのまま。
たった四文字の響きが、こんなにもひしゃげて、混ざって、激しくて。
彼方まで、運んでいく。
五年間、ずっと。
見たこともない銀河の彼方を、更新し続けてきた。
オレンジ元気に向かって、突っ込んできた。
これは、その序章。
放送は、まだ開始されたばかり。
潔白な罪深さと一緒に高まってしまう、暖色の淡さの物語はこれから。
皆さん、私は改めて思います。
サーキットが、広くてよかった。
これからのめくるめく青春を、めいいっぱい展開することができるのだから。