スカートも履かず、ズボンだけ。
それは、セインも同じ。
キーアの脚は、白くて、細い。
要するに、キレイだ。
一度、スカートを履いた姿を、見たことがある。
自分の脚も、そうだけど、別に、見とれない。
あのときは、キーアと、目を合わせることができなかったな。
まぶしすぎて。
心なしか、セインの瞳が、細まる。
我ながら、キーアを見るとき、それ以外の目を、いまだにできない自分に気づいていた。
キーアと一緒に、エザーヌを出立することを決めた時も、そうだった。
目は細まったまま、じっと、キーアを、抱きしめていた。
キーアの背中が好き。
煩雑な事務作業をそつなく、ときにはみんなと一緒に輪になって掛け合っている背中を、ずっと見ていたい。
男なのに、妙だなと、何度思ったか。
そうやって、キーアの背中についていく日々に、幸せを感じていた。
後ろから、「頑張れ」って。
そう、小声で告げる自分。
そのことを、背中で収めてくれているキーア。
振り返らなくていいよ。
そうしたら、オレ、照れちゃうから。
知ってか知らずか、そのまま事務作業に励むキーア。
セインが、正面から、「お疲れさま」って言うと、満面の笑みで返してくれた。
知ってたんだ。
そんなキーアに、余計に入り込んでいる自分に、気づいていた。
大好きだよ。
あり合わせの、使い古され過ぎて、手垢まみれの言葉に、埋没していく自分がいた。
どんなにダサくてもいい。
オレの涙で、この言葉を洗いたい。
そして、キーアに届けたい。
余計に、涙で、滑って、転げてしまっても。
キーアなら、受け止めてくれそうな気がする。
出会って、半年。
オレ、なんで、こんなにキーアが好きなんだろう。
胸が熱い。
今、ここに、キーアがいてくれることが、うれしい。
それだけで、強くなろうと思える。
流せなかった心のしこりが、流せるような気がする。
一重の瞳、白い素肌、茶赤な髪。
スカートを履かないキーア。
でも、キレイな足のキーア。
それだけでいい。
オレの過去が溶かされていくような気がする。
ずっと、誰にも言えなかった過去が、みんなに言えるサイズにまで、ふやかせるような気がする。
キーア、ありがとう。
力が抜けて行くのに、胸からお湯が沸き出てくる感じだよ。
正直に話すね。
オレとヴェセランとの間にあったことを。