キーア

「・・・・セインのバカ。」

 

 

そう言って、上目づかいから、閉じられた瞳がセインの中に入ってくる。

これには、うなずくもくそもない。

 

久しぶりの温もりが、シンポジウムで疲れたセインの体を癒す。

一人で走り出していた頭脳の回転が止み、体の動きに身を任せる。

キーアのお気に入りのシャンプーの匂いが、茶赤な髪から入ってくる。

色白な素肌が、嵐の混乱の後、ようやくにして訪れた島の砂浜のように、セインを迎える。

 

 

ごめん、バカだったね。

オレ、ハウミが大好きだ。

 

でもね。キーア。

今は、お前が大好きなんだ。

大好きになってしまったんだよ・・・・!

この気持ちの収め方がわからないほど、時折、辺りが見えなくなってしまうんだ。

 

だから、オレのために、目となり、耳となってくれないか。

そしたら、もう、誤解することなんて、ないもんね。

ずっと、こうしていたい。

 

キーア、大好きだよ・・・・。