2012.12.22
堺化学工業、紫外線A波の新表記(PA++++)対応の化粧品原料を提供
堺化学工業(本社=大阪)は、日やけ止めやファンデーションに使用される超微粒子酸化亜鉛や超微粒子酸化チタン、板状硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど、無機系原料を生産している。粒子の大きさや形状などの種類を変えたグレードが数多くラインアップされており、顧客の要望に合わせ、自社工場で原料の合成、表面処理、分散などマルチに対応している。
特に、高分散を狙った表面処理を施したグレードは、透明性が高いことを特長とし、実際に最終製品化された際、粉体の「白浮き」が少ないという。
2013年1月より、国内サンケア製品の紫外線A波の防御効果「PA値」(+)の基準が現行の3から4まで拡大されることとなり、現在同社では規格に対応できる超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化チタンの販売に注力している。
「もともと当社のラインナップにあったベース原料を一部改良することで、ノンケミでPA4+を達成できた。実際の機能はin vitroだけでなくin vivoでも確認、実証している。現在もっとも注目度が高く、当社としても開発を強化していきたい原料のひとつだ」(真柄光一郎無機材料事業部技術部技術第3課長)
2012年7月には、福島県いわき市にある工場に、1ラインを増強し、生産能力を従来の年間200トンから500トンに拡大した。原料合成や表面処理、分散加工を駆使し、これまで以上に幅広く対応する。
一部原料は欧米市場でも展開しており、同地域の厳格な規格に則った原料の開発を行っている。同時に、現在世界的に議論に上っている「ナノマテリアル問題」を鑑み、非ナノ酸化チタン原料の開発も進めている。
将来的な目標として、新たな拠点の開設も視野に、海外市場での拡販も強化していく方針だ。
「日々『新しい原料』が求められる中で、そのニーズをいかに的確に引き出せるかが重要になっている。顧客の要望に応えることは当然として、当社から新しい価値を的確に提案できるように、情報のアンテナを常に張っていきたい」(真柄氏)