8月17日産経新聞に株式会社ピーカブーのことが掲載されました!
ぜひご覧ください。
女性パワーは経済も変える
育児仲間の母親3人が立ち上げた会社を8年ぶりに取材した。紫外線(UV)を防ぐウエアを手がける埼玉県和光市の「ピーカブー」は合資会社から有限会社を経て、株式会社へと歩を進めていた。自宅にあった「本社」は会社として独立し、別の場所にオフィスを構えた。インターネット通販の発送用に都内の倉庫も借りているという。創業から今春で10年。
自社ブランド「エポカル」の年商は、4年前に1億円を超えた。
縫製会社などに委託して仕上げるUVカット製品はシャツやズボンに水着、帽子、クリームなど子供用を中心に300種類に及ぶ。代表から社長に肩書が変わった松成紀公子さん(42)は、こう振り返る。
「子供に着させたいと思うUVカットの服がなく、それなら自分たちで作ろうと考えたのが始まり。
一つ一つに意味のある工夫を凝らし手間をかけたからこそ、母親たちの共感を得られた」
肌が弱いわが子のため、そして育児仲間やユーザーの声も踏まえて作り込む製品は、子供の成長とともに幅が広がっていく。
取締役の小沢直子さん(39)は長女に長袖のUVカット水着を持たせたところ、保育園側から「自分で脱ぎ着できるものにしてほしい」と求められた。幼児にファスナーの留め具の操作は難しい。
そこで、ファスナーを途中まで開け閉めして脱ぎ着するタイプを商品化した。まさに「必要は発明の母」。製品開発はその繰り返しだ。
女性パワーは経済も変える
日本は20年ほど前から、企業の廃業率が開業率を上回る傾向が続いている。
経営者の高齢化を背景に、中小企業の数は減少が止まらない。政府も危機感を持ち、資本金が1円でも起業できるように法律を改正したり、無担保融資といった支援策を打ってきた。それでも起業数は大きく増えていない。
なぜだろう。答えの一つは女性パワーの活用の遅れではないか。
平成24年版の中小企業白書は女性の起業が少ない現状を訴え、「男性社会の常識を打ち破り、需要を生み出す女性起業家は中小企業の良い手引きになる」と強調。
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事も「女性の労働参加が他の先進国並みになれば日本の生産力は最大25%増える」と指摘する。
ロンドン五輪ではサッカー、レスリング、卓球、バドミントン、バレーボールと日本は女性の活躍が目立った。経済の活性化にも「なでしこ」が求められている。もちろん男も負けていられない。
(フジサンケイビジネスアイ副編集長 村山雅弥)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120817/biz12081707450000-n1.htm