韓日併合を暗示した絵葉書(1909年発行)。日本人(右)が上から目線、朝鮮人は下から見上げている(民団ホームページより)

http://www.mindan.org/front/newsDetail.php?category=0&newsid=22852

 

 

「小見川、加藤、小西(豊臣秀吉の朝鮮侵略時における武将)が世にあらば、今宵の月を如何に見らむ」

 

「大閻を地下より起し見せばやな、高麗やま高く登る日の丸」

 

(朝鮮併合条約調印が終わった夜に、宴の中で詠まれた、統監寺内正武と、宴に侍していた小松緑との唱和)『明治史実、外交秘録』(1927)

 

 

先日、Michikoさんとの議論のやり取りで、改めて、在日朝鮮韓国人が置かれている立場がいかなるものか、解説していきたいと思います。

 

先だって、この問題を論じる上では、先の大日本帝国における、韓国併合の時代から話さなければなりません。

 

その中の、基本関係の問題においては、日「韓」双方が国交正常化するために必要な基本形式のことです。まず基本関係を論ずる日韓会談の「基本関係委員会」では、

 

①国交の樹立 ②国連憲章の尊重 ③日「韓」友好関係の増進 ④外交使節の交換 ➄通商協定条項

 

の五つになります。

 

ここで問題となっているのが、主に「韓国」側は、これを「基本条約」として締結することに固執し、日本側は「共同宣言」を発する形に固執している点。

 

もうひとつは、「韓国」側は、1910年の日韓併合条約の無効を確認し、以後36年間の日本の統治によって受けた苦痛と損害に対し、謝罪と清算の旨を明らかにすることを要求していますが、日本側は、過去にさかのぼることなく、現在(戦後)から出発して、今後の双方の協力関係に力点を置くことが「前向き」の解決であると主張しています。

 

さらに、「韓国」側が、南北全朝鮮を代表する唯一の合法政権であると主張するのに対し、日本側は、北朝鮮には別個の権威が存在するという点。

 

以上が、「基本関係」の内容です(韓国はこれは「条約」として捉え、日本は「共同宣言」としている)。

 

 

そもそも、日「韓」国交正常化を必要とするのはなぜか。

 

それは1910年、日本が独立国であった朝鮮(大韓帝国)を、侵略し、占領し、併合し、両国の関係を不正常にしたからであって、それ以外の理由はありません。

 

戦争があったから講和が必要なのと同じように、不正常化(植民地化)があったから正常化(独立の追認と互恵平等化)が必要なのです。

 

この場合、対象が単一の全朝鮮でなければならないのは当然です。

 

したがって、単一の全朝鮮ではない「韓国」(南朝鮮)との日韓会談で、上述の「基本関係」を論ずること自体が誤りなのです。

 

 

<参考資料>

 

・貴重な風俗や風景を在日1世が収集…『日本統治下の絵葉書でたどる済州島』 在日大韓民国民団(MINDAN)ホームページより

 

http://www.mindan.org/front/newsDetail.php?category=0&newsid=22852

 

・『アジア・アフリカ講座 日本と朝鮮』第3巻 勁草書房

 

・『明治史実、外交秘録』(1927) 小松緑著