私のブログ仲間で、きわめて高度な英語力を駆使して、常に海外の人々との交流を深め、その見聞を記事にされるMichikoさんがご自身のブログの返信コメントで極めて興味深いことをおっしゃられていました。


それは主に日本に蔓延する『アメリカ絶対主義』思想に対する掣肘を加えるの内容で、私自身がコメントで述べたことは、日本のリベラルから中道~保守・極右にまで至って、一環して「アメリカさまが管理する世界秩序」を終わりなきまでに賛美・肯定もしくは容認し、それに反する「異物」を徹底的に、半ばヒステリックなまでに排除や否定、罵倒し、もうアメリカありきの世界像しか描き出せず、そのほかの多元的な世界への未来図を考えようともせず、反論すると「無秩序な世界を正す意味でもアメリカの恒久的介入は必要なのだ」という認識が返ってくるだけであり、まともな議論なんてものはほぼ不可能です。



つまり大方の日本人は、根本的意味で思考の「多元化」ができておらず、国際世界を語る上で常に話の「大前提」に『親米』がドーンと居座り、そいつがどく気配はまったくなく、そこを基準としてすべてを語ろうとするから、議論に歪みが起こり、より確からしい現実にたどり着けないでいます。


なぜこのような事態に陥ってしまったのか。



それは唯一、日本人の『モノリンガル的性質』に起因すると思います。


つまり扱える言語が「ひとつしかない」から、その言語の認識がすべてとなり、文化や思考様式、考えられるありとあらゆる人間的営みを拘束されます。無論ニュースについても、常に「日本語の味付けが施されたモノ」しか接種することができず、BSで「海外ニュース」を見ようとも、ほんの一部の情報であり、それは放送者の采配に基づくもので、厳密な意味での世界情報とは言えません。


これは非常に不幸な出来事であり、どんなに頑張っても日本語のみで世界のすべてを知ることは、ほぼほぼ不可能に近いことなのです。


事態を打破するためには何が必要なのか、それは言うまでもなく「日本語以外」の他言語に通じること以外、手段はありません。



幸い、私たちの身近な英語が国際語であり、何とかそれをマスターしさえすれば、世界と繋がれるチャンスは往々にあるわけです。つまり、そうした世界とリンクできる言語を通じて、各国が発信するニュースを理解するツールを得て、そこではじめて、マイナー言語の支配から解かれて、体制から情報を「もらう立場」ではなく、より主体的に情報を偏りなく接種することが可能となるわけです。


それについては、Mchikoさんにわかりやすくまとめて頂いたのでここに載せておきたいと思います。


まず英語の場合は、


①アメリカやヨーロッパの国の大メディアが報道している内容


②それらの国でのインディペンデント(独立系)メディアが細々と伝えている内容


③ロシアや中国が伝えている内容



この①~③までのすべての情報を、ほぼキャッチすることが可能となります。


特にMichikoさんが特筆されていたことは、で、どれだけ違う内容の報道がなされているかを知るということに驚きがあるわけで、底に放り込まれたら、あとは頼れるのは「自分」しかいなくなります。


つまり、情報を受動的に考えるのではなく、己の思考を駆使して、今ある知識や認識を総動員して、哲学的にいうなら「自らの足で立って」物事に取り組まなくてはなりません。


何が事実に近いのか、一方の認識に偏ることなく「主体的」な状況に自らを追い込むことによって、日本における一種の「アメリカ絶対主義観」から脱するひとつの有効な方策となります。



残念ながら、日本のインテリ層のほとんどは、日常的に英語でニュースを取り入れることはしていないのが現実で、またそういうことがある程度できている人でも、ニューヨークタイムスを筆頭にアメリカの大メディアの言うことを信用しがち、かつ大きく受け止めがちです。


無論、ここでは「激烈な反米主義者になれ」などという底の浅い話ではなく、日本であまりにも蔓延るアメリカ肯定主義に対するバランサーの確立として、好き嫌いで物事を語るのではなく、各国のニュースを余すところなく拾うことによって、より物事の中核に迫ろうというアプローチなのです。



またMichikoさんご自身は、日々のブログの中で常に海外の人々と論議を重ね、時には論争したりと、リアルタイムで世界の人々の認識を「ドラスティック」に捉えたりと、氏の行動を見て、私自身、今後先の日本人がどう世界と接するべきなのかということを深く考えさせられました。


そういう意味では、日本語ネット世界にある『海外の反応』系などなどの、胡散臭いまとめサイトを右から左に流すのではなく、本来の意味での見聞を広めることや取材中心主義に重きを置いて、自ら靴底を減らして渡り歩くべきだと思います。



<参考資料>


・Michikoさんのブログ『Cluttered talk blab blab blab』(「And where is a photo of a dead Iraqi kid?」)より