以下抜粋要約、


-本誌投稿者に嫌がらせ-


・ネットに無断で住所・電話番号


朝日新聞の投書欄「声」に喝采された読者の投稿が、詳しい住所と電話番号が加えられてインターネットの掲示板やブログに無断転載された。住所などを載せられた読者の中には、自宅に嫌がらせの電話がかかったり郵便物を送りつけられたりした人もいる。こうした事態をうけ、朝日新聞は、ブログを運営する会社に対し、投書や住所などの削除を要請した。


・本社、サイト側に削除要請


「声」欄に投書が掲載された読者が被害を受けたことを、朝日新聞が最初に把握したのは昨年秋。自宅や勤務先に無言電話や嫌がらせの電話があったとの訴えが複数の読者から編集部に寄せられた。日記風ホームページ・ブログのコメント欄に、紙面に掲載された投書、氏名とともに、紙面には載せていない詳しい住所と電話番号が掲示されていた。

朝日新聞は当初、個別に対応してきた。しかし、ネット上での書き込みの状況を調べたところ、投書の無断転載と住所、電話番号の書き込みがブログやネット掲示板で続き、今年春ごろから増えいることがわかった。今月にかけて少なくとも30人分が載せられた。勤務先などの電話番号が書き込まれた例もあった。

読者から聞き取りをした結果、これまでに14人が嫌がらせや無言の電話を受け、そのうち2人には郵便物が届いていた。中部地方の男性は昨年10月、投書が紙面に掲載された。安倍晋三・自民党総裁の改憲姿勢に疑問を呈する内容。数日後の午前3時すぎに自宅に電話があり、無言がしばらく続いた後、男の声で「売国奴」とののしられたという。住所や電話番号がブログに掲載されたことをあとで知った。


憲法9条を守りたいという趣旨の投書が掲載された男性の自宅には、まもなく、男の声で投書をとがめる内容の電話があった。「お前の家はわかっているぞ」とも言われた。

ブログや掲示板に載せられた住所や電話番号は、ネットの電話帳などを使って調べたとみられる。投書した読者と同姓同名の別人の住所などが書き込まれたケースもあった。

朝日新聞は、「投書した読者の平穏な生活が脅かされる深刻な事態が生じている」として26日、ブログを運営する会社に、投書や住所などの速やかな削除を求める申請書を送った。投書の無断転載は著作権の侵害、住所や電話番号の書き込みはプライバシー権の侵害にあたる違法な行為だと指摘した。



-卑劣 言論の抑圧-


東京本社 声編集長・阿部俊幸


新聞の投書欄に投稿した人の個人情報をネット上でさらし、嫌がらせの電話などをするのは卑劣です。

言論の封殺につながりかねません。

こうした行為には、自分の考えと少しでも違う意見を排除しようとする悪意を感じます。異なる意見があるのなら、匿名で個人を傷つけようとするのではなく、堂々と述べるべきです。「声」欄ではこれまでも、消費税増税反対や原発推進といった、社説とは異なる主張も掲載してきました。


私たちは、今後も書き込みが確認できたサイトには削除を要請していきます。今回のことに対応するため、編集部ないにチームをつくりました。相談の窓口となり、投書した人たちをしっかり支えていきます。

投書した人が住む地域や年齢、職業は、発言する人の立場を伝える重要な情報です。匿名の投書では無責任な意見が増える心配があります。実名で安心して意見を言える場、そして社会を守っていくことが大切だと考えます。


朝日新聞〈2013年(平成25年)6月28日 金曜日 39面社会13版〉より


しかし、今回の事件、個人情報を無断公開して脅迫行為をした犯罪者たちはお縄確実ですが今現在もそのような愚行に手を染めてる者はさぞ慌てふためいていることでしょう。


声編集長の阿部氏がおっしゃられるとおり「自分の考えと少しでも違う意見を排除しようとする悪意」のもとに、かといって他者の納得のいく論理展開が出来ないもので、それが表沙汰にされるのが嫌だから、悔しながらの姑息な卑怯行為に手を染め幼稚な独我に満ちたその卑しい品性がままの振る舞いに、いつもながら怒りや呆れを通り越し哀れみを感じる次第であります。


私自身も、こうやって大衆新聞に実名で投稿される方々にはたいへんな敬意を感じます。

それに比べ卑怯な匿名の影に隠れてコソコソと他者罵倒をするのが関の山である者どもには、是非とも裁きの鉄槌を下すべきだと思います。