昨日北朝鮮が核実験を行い紙面は大いに揺れました。


そこに書かれていたのは、各国の独善に満ちた御用論理と国連普遍主義の奇妙な介在で核保有の公式非公式国がこぞって空虚な批判に徹しておりました。


すでに不条理に満ちたこの世界では、先取特権の原則があり超大国・大国含め「強ければ何でも良い」というまさに「強者の論理」が厳然と存在します。


いち早くけたたましく吠えたてたのが、アメリカ傀儡の2TOPである日韓両国で日本経済新聞の一面では「暴発辞さない『弱者の恫喝』」と挑発的な文言で揶揄しその焦り様は必至です。


しかしこの国は超大国に対してへいこらへいこらひれ伏すわりに、北朝鮮に関しては関係のない在日諸氏を巻き込み、それを口実に不当な差別をして人権主義を否定するという厚顔無恥なダブルスタンダードを敢行しています。真の弱者は一体誰か。 それはまぎれもなく敗戦後に米国から全てを奪われ一生臣下の身に服さざる得なくなった我が国ではないでしょうか。 無論それは韓国も同様でその他全ての同盟国にも言えることでしょう。


一方埼玉新聞の主面の一部に上田清司知事の話で、「許されない妄拳」としていつもの国連主義を持ち出しては勝ち誇ったかのように「唯一の被爆国である我が国や国際社会に対する重大な挑発」と称して「国際社会から孤立しているという現実を直視し、我が国や関係各国に謝罪すべきである。政府には北朝鮮の蛮行に対し、世界各国と協調して国連安全保障理事会などあらゆる機会を通じて、追加制裁を含む強い対応を望む。」としました。


上田さん、ちょっと違うんじゃないんでしょうかね。


あなたが一番責めるべきなのは「唯一日本に原爆を落とした『米国』」と、現状の核体制を共有する欧州主要国や中ロそしてインド、イスラエルなどの国々であって、それ無しでアンフェアな批判だけに徹してるだけでは論理の核は突けませんよ。


知事とあろう者が「蛮行」という品性なきえげつない言葉を使い興奮した論調でまくし立てて、それが最もふさわしい在特会という無法集団を我が国で跳梁跋扈させて何を言うのでしょうか。

「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」という身の毛のよだつ狂気的文言を吐き散らかせ、罪なき人々に卑猥な暴言浴びせつけ暴徒的振る舞いを許させるこの国の異常さはまさに国連の中心的テーゼの一つである「人権主義」への明白な違反であります。


これこそ全人類が共有すべきアプリオリな提言としての名辞であり、各国の利害が交錯するきな臭い安全保障とは一線を画すべきものです。


あたかも北朝鮮を「一国孤立」という枠組みに当てはめて自分たちを「主流」と位置づけるやり方も、もはやワンパターンに過ぎませんし前にも述べたカー教授の「特定集団間の争い」に過ぎないのです。


朝日新聞の「耕論」の欄で、米カーネギー国際平和財団上級研究員であるジェームズ・アクトン氏が興味深いことを述べておられましたが、米露間の核軍縮問題で「ロシアは、核兵器以外の通常兵器の戦力で、米国が圧倒的な優位にあることを心配する。」として軍縮の不合理性を提示しました。

これは鋭い視点で、結局のところ軍縮と言ってもどこかで必ず行き詰まるところが発生しそれが通常戦力間の問題であったり仮にそれをも削減したとしても、アメリカの経済的潜在能力から推定して再び軍備を身につけることはいたって容易であります。


しかも現実においては、アメリカは決して通常戦力の削減は行わないでしょう。

なぜなら現在アジア太平洋地域においての中国との覇権争いから、この地域でのプレゼンツを積極的にするとオバマ大統領が明言していますし、日本をはじめとする周辺同盟国(衛星国)を利用して「前庭」での活動を活発にするでしょう。


結論として、大国たちは自分たちだけの世界構築に躍起です。

それがアメリカを筆頭とする西欧各国の基本テーゼであり、変わって東アジアにおいては中国やロシアなどの国家であり南アジアにおいてはインドやパキスタンなどの核保有国が挙げられます。


そしてそれを脅かすいかなる勢力も許さない立場を鮮明にし、現在の北朝鮮やイランなどの行為を無条件に批判して自陣営の保身に躍起です。 


これが現実なのです。


-追記1(現核保有国の核実験回数)-

アメリカ1030回、旧ソ連・ロシア715回、フランス210回、イギリス45回、中国45回北朝鮮3回、インド2回、パキスタン1回(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E5%AE%9F%E9%A8%93%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7 ) wikより


・赤→NPTによって保有が認められた五大国(米、英、露、仏、中)

・緑→NPT非批准の核保有国(インド、パキスタン、北朝鮮)


-追記2-

埼玉の上田清司知事に関して、

朝鮮学校の補助金問題で、補助金の代わりに拉致被害者家族の著書を支給するとしました。
おまけに記者会見で、「なぜ予算が計上されないか、ぜひ本国に伝えていただきたい」と朝鮮学校側に要望を寄せ、川崎市のアイデアを聞いた後には「(本国に手紙を送るための)切手でも支給しますか」と冗談を飛ばしました。


この上田知事は、たしか私が小学生くらいから県知事を務めていて知人の在日の方から聞いた話によると一度埼玉の朝鮮学校にまで訪れています。


そこまでしておいて、このような愚かしい侮辱行為を平気でするその卑しい品性は長年権力の座についていて人間精神を腐らせてしまったことがひとつ挙げられますし、日本的保守という性格上、西洋精神に負けたくないことから素朴で幼稚な排外主義を称揚して時代の精神から逆行する国民主義的政策を推し進めてそれへの同化を強制します。拉致問題に関する問題も、本当に解決する気など微塵もなく10年という歳月の中で圧力一辺倒を敢行してその中身は在日差別というおぞましく穢れた行為の正当化でした。


拉致被害者である横田夫妻は、朝鮮学校への不当な差別に困惑されています。このことによって日本は世界から理解を得られず一層孤立を余儀なくされるでしょう。


また国連からは、人権分野で再三の是正勧告という警告を受けていますし「教育差別禁止条約」への加入を求められております。 


私は驚きましたよ、


「人権理事会理事国」という看板は、まさに日本が行なっている差別行為への痛烈なアイロニーだったのです。

領土問題では、近代の領土拡張政策の産物である列島周辺の群島を「固有の領土」と位置づけて偽装を施しますし、北朝鮮への核問題含め、やたら「国連!国連!」と喚きたてて周囲への理解を求めますが、そういう偽善に満ちた行為を世界はしっかりと見ております。


日本のマスメディア(テレビ・新聞・雑誌)を始め、不利な情報は決して流さず結果的に国民白痴化を進めて国を滅亡に追いやるという「滅国行為」推進して、世界との協調どころか旧来の一国独尊主義を貫いてどんどん衰亡の道を辿っています。こういう一種の独善的保守化は、歴史的にみても、ある国が落ち目になるときに現れてくる典型的な衰亡パターンのひとつであります。


私は考えます。


人々が多様な価値観を構築するのには、直接の海外フィールドワークが欠かせないことと政治・経済・文化全ての面を含め一様に言えることで、その答えは己の殻を打ち破る「留学」しかないのです。


たしかにこれには多大な費用がかかり、自国に閉じこもっている気弱な日本人諸氏たちは「言語や文化の壁」と称して恐れますが、そんなものは単なるこじつけで言語というものは現地の実践の中で体得していくものであって机上での勉強で得られるものではありません。


また文化面での「他者遭遇」を通じて、己の精神はさらに純化し磨きあげられ、これから世界への戦略を打って出ようと思われる起業家の方々はこのことに気づいて欲しいのです。

無論、経済人問わず全ての分野で働く方々、ひいては一般大衆が狭い列島のなかでの価値観を高みへ押し上げるために是非とも目指してほしいですし、たとえそれが一部の人々であってもそれが少しづつ変わっていく要素となれば幸いであります。


自言を撤回するようなことを言ってしまいますが、社会発展のためには勉強だけでは足りず実際での経験を通じてわかることであり、頭でっかちに陥るとかえって現実を見失いかねません。


私自身のそれへの解答が、海外文化との接触であり欧米問わず世界いたるところの国々へ学びに行くことは極めて有意義だと感じます。まさにそれこそが自己精神の陶冶(パイデイア=教育)であります。


<参考資料>

・朝日新聞(2013.2.13)

・日本経済新聞(同)

・埼玉新聞(同)