身勝手な妄想 | 愛と幻想の薬物

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病んだ精神を癒やすために、体験を基にし、エッセンスとしてのホラを加えながら『さいはての地』での記憶を辿ります。
妄想、現実、ありがちな経験をもとにした物語です。


薬物は関係ありません、
あしからず。


生物の外来種問題の一つに、国内移植種(外来種)というようなものがある。
日本の固有種であっても、本来生息域とは異なる場所に生物を移住させることだが。


僕の先輩で渓流釣り師がいる、その人は僕に蝶々の展翅を教えてくれた人で、また初めて毛鉤釣りを見せてくれた人でもあるのだが、

↑たぶん「スミナガシ」、僕のコレクション。

普段はそうした昆虫標本の製作を生業としていて、結構儲かっているとか聞いた。

その人は渓流釣りが解禁になると東北のあらゆる渓へ旅立ち、半年近くの間だサクラマスだかサツキマスとの戦い(本人がそう言っていた)に没頭する。

その人がある時言っていたのは

『実家前の渓流(綺麗な所です)に東北のマスを密かに放流して、俺だけの釣り場を作ろうかと思うんやが…禰彌(でび)はどう思う?』

僕は当時生態系を気にしてそれに反対したのだが、考えてみれば僕がそんなことに反対したのは馬鹿げている気もする。

『生態系を気にするよりも日本の法律を気にしろよ、俺』



さて、本題。

僕の自宅からリトルカブで十五分くらいの山にいくつかある谷間の小さなせせらぎ。
そこらへんは放置林となっていて、林道が崩落していたりもするのだが、
谷のせせらぎは大きな砂防ダムで遮られ、普段は池みたいになっている。

そこに別の川で大量に捕まえてきたタニシとカワニナを放流する。

その一年後、放流した淡水貝の繁殖状況が確認できたら…。
奥山の渓流で捕まえたホタルの幼虫を、これまたばら撒く。

ホタルの幼虫はタニシやカワニナを捕食するので、うまくすればホタルは繁殖する。



ほとんど人が訪れない「他人の山」で、初夏になるとホタルの乱舞が見られるというのは…、


なんとなく素敵じゃないか?



というそんなくだらない身勝手な妄想。


ちなみにそこは野生のイノシシ天国(笑)。



↑其処とは先日の彼処(笑)。