久々に | 愛と幻想の薬物

愛と幻想の薬物

病んだ精神を癒やすために、体験を基にし、エッセンスとしてのホラを加えながら『さいはての地』での記憶を辿ります。
妄想、現実、ありがちな経験をもとにした物語です。

中学二年生になる息子の幼いころからの友人が、ボクシンググローブを持って遊びに来た。 

その子は昨年の十月から某超有名ボクシングジムでボクシングを習っているそうだ。

 そんなのもあって僕は嬉がって彼が持ってきたグローブを嵌めて、軽く遊んだ。

 久しぶりにする殴り合いは楽しくて、昔武道で学んだアレコレをどんどん思い出すのだが、悲しいかな・・、
オジンの僕の記憶は身体の動きに伴わない…。

 息子の友人は、幼稚園あたりから僕を知っているのでやはり抵抗があるのか今ひとつ攻めきれないようでやりにくそうだ。
 また僕は僕で、嘗て武道やら格闘技やらを指導していた身とは大いに異なり、
ド素人の中年そのものの動きにしかならない(泣)。
 
それでも僕は楽しくて、ビールを飲みながらハァハァと息を切らしながらも、『屁』みたいな突きを単発で出してみたりして、息子の友人の手の内に遊んだ。
 

その子は、 
『ヤッパリコワい(笑)』
 などというが、そんなもん慣れの問題だ。

 あと半年もすれば、僕は惨めなことになるだろうと痛感した(笑)。

なんせ、我がの身体が重くて連射ができないし、踏み込みが超甘い(泣)。 
 それでも、僅かな時間だけど久しぶりに格闘技の真似事が出来て楽しかった(笑)。

 息子はそういった直接的な打撃は苦手だろうから無理強いはしないけれど…。 

グローブ(八オンス)を嵌めた長女に、

 『遠慮せんと父ちゃんの顔をシバけ(笑)!』
 と半ば冗談でいうと、

 真顔で遠慮なく僕の横顔に突きを打ち込んできた。
 グローブで殴られるのは素手より脳にくるものなのだ。

 一瞬世界が二つに見えたよ(泣)。

 おかげで今なお頭がクラクラする。 


ま、そんな楽しい遊びをさせてもらいました(笑)。