「利息」を忘れてしまった?ゼロ金利時代の日本人 | アジアを中心にお仕事しています。

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中国情報局より~





月に北京を訪れたときのことです。旅行中ずっと、私たちをお世話してくれていたガイドさんと話をしている際、日本との感覚のギャップを感じさせられた場面がありました。

ガイドさん「銀行にお金を預けておけば、少しでも増えるんで……」
私たち  「……(なんの話だ?)」
ガイドさん「(あれ、話が通じてないかな?)ほら、利息がつきますから」
私たち  「利息……利息……? あ~!利息かー!」





  「物価上昇が激しくて大変ですよね~」「でも、賃金もそれなりに上がってきてるから」なんて話や「どこの銀行が、いちばんメジャーか?」みたいな話をしてるときに、こんな会話になったような記憶があります。





  お金の話をしていれば、銀行の利息の話になっても当然なのですが、なんと私たち一同は、「利息=銀行にお金を預けて増える」という話に、まったくピンと来なかったんですね……。 ずーっとゼロ金利時代が続いているおかげで、日本で暮らす私たちには、いつの間にか、「預金していれば、お金が増える」という感覚が全くなくなっていたのです。




  「利息」という言葉が、私たちの中では、もはや死語。




  いまさらではありますが、改めて、ゼロ金利がもたらした意識の変化の大きさに気がつかされて、これには、自分のほうが驚いてしまいました。





  私たち一同は30代以上の人が多かったので、利息がついてた時代を知ってますから、これでもマシなほうだと思います。でも、もっと若い世代の人は、「預金すればお金が増える」という感覚自体が存在していなくてもおかしくありません。なにしろ、利息の恩恵にあずかったことがないのですから……。利率が7%の時代があったなんて聞いたら、きっとびっくりしちゃいますよね。






  ガイドさんの話に出てきた利息ですが、現在、中国の1年物の定期預金金利は4.14%となっています。日本人の感覚だと、元本保証で年率4.14%でお金が増えていくとは、なんともうらやましい話! 日本で、この利回りで運用しようと思ったら、株式や外貨建て商品を、それなりに組み込まなくてはなりません。日本では、リスクなしでお金は増えないという厳しい現実があるのです……




  でも中国のほうだって、手放しでは喜べません。消費者物価指数の上昇率が6-7%ですから、日本よりも、ずっと速いペースで物価が上昇しています。物価が上昇するということは、それだけお金の価値が相対的に下落していくということですから、預金の利率は高くても、実質的にはマイナス金利。中国でも、銀行にお金を預けておくだけでは、実質的なお金の価値は減ってしまうことになります。……う~ん、世の中、そんなに甘い話はないですねー(笑)。





  一方、日本のほうだって、実質的にマイナス金利であることに変わりありません。物価が上昇しないデフレの時代ならば、ゼロ金利でも、実はお金の価値そのものは相対的に上昇していたので、まだよかったのですが、昨今の物価上昇の嵐を見れば、デフレの時代が終わったのは明らか。7月の速報値では1.6%の上昇率ですので、今の金利では、お金の価値は減る一方ということです。






  中国の場合は、物価上昇を補う程度に賃金が上昇してきましたが、日本では、賃金が上がるどころか減っていくかも……という状況。やはり経済成長している国のようにはいきません。