J1:第7節 鹿島 3-2 C大阪 (スカパー) | E.P & E.F.L

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 前半のスタッツ。

 ≪シュート数≫
 鹿島: 4 、 C大阪: 11
 ≪得点≫
 鹿島: 0 、 C大阪: 2

 スタッツのシュート数の差は、チャンスの差・決定機の差といえる内容でした。
 セレッソの11本は、確率の低いシュートの積み重ねで得た数字ではありませんでした。

 得点の2は、決定機の数や、やりたいサッカーができていたということを考えれば妥当な数字だし、もっと獲れててもおかしくなかったと思います。


 そして、選手交代。

 ≪選手交代≫
 前半15分: C大阪、高橋大輔 → 丸橋
 前半31分: 鹿島、 梅鉢 → 柴崎

 セレッソは、故障による予期せぬ交代だったけれども、鹿島は、戦術的な交代でした。

 数字からも、前半は、セレッソが圧倒し、鹿島はセレッソにやられたい放題。
 選手交代からも、鹿島は、前半31分で交代カードを切る決断をしたくらいの内容でした。



 セレッソの前半は、特に攻撃面でやりたいサッカーができていたと思います。

 前からの連動したプレスでコンパクトに保ち、鹿島の繋ぎを分断して、中盤の高い位置でボールを奪うと、ボランチが、2列目や1トップに有効な縦パスを供給していました。
 攻撃では、中央やサイドでボールを当てて、2列目がフォローして、と、セレッソは小気味よい繋ぎで早々からペースを掴んでいました。

 前半21分、ボギョンの得点は、それまでのパス回しでのリズムが繋がった見事な崩しからのゴール。

 その後、鹿島のシンプルなサイドからの攻撃に肝を冷やす場面もありましたが、失点することなく、前半45分に、ボギョンの強いフィジカルを活かしたドリブルから、ケンペスに繋いで、シュートがこぼれたところを、ボギョンが押し込んで 2点目。

 ミッドウイークに開催されたナビ杯の浦和戦同様に、早い時間帯での1点目、前半終了間際の2点目とゴールの時間帯も、内容も、非常に良かったと思います。



 でも、結果的に、この後、後半に3点を食らって負けるんですよね。


 詳細は、他に譲るとして、山口蛍と丸橋の試合後のコメントが端的に状況を示してくれていると思います。

 セレッソ大阪 CEREZO OSAKA OFFICIAL SITE| 試合予定/結果

 【抜粋】
 ・山口 螢選手
 「後半にドゥトラが入ってきて、トップ下あたりにいたので、そこを僕やタカが抑えないとダメでした。 お互い、前半にイエローももらっていたので、強く行けない部分もありました。
 それと、相手のボランチが空いて、自由に配給されてしまったので、ブランキーニョとかにも、もっと守備に来てもらうように言う必要がありました。そこで自由にされて、ゲームを作られてしまったかなと思います。
 サイドチェンジされた後、相手のサイドバックのドリブルに僕らボランチが出て行くと、中も空く。そこの守備も、チームとして改善していかないといけないですね。
 (後半に関しては)コンディション的な問題というより、相手に対応出来なかった感じです。
 前半は良い試合が出来ていただけに、もったいない試合ですけど、これも一つの教訓として、次に繋げていきたいです。」



 J's GOAL 【J1:第7節 鹿島 vs C大阪】試合終了後の各選手コメント(12.04.21)

 【抜粋】
 ・丸橋祐介選手(C大阪):
 「前半はイイ感じで入れたんですけど、後半はかなりちょっと…。動けなくなってきたというか。ちょっとうまくいってなかったのでやられてしまいました。後半はプレッシャーも早かったので。もっとまわりが見えてればよかったんですけど、近くしか見れてなかった」



 蛍の言葉から見えてくるのは、2つ。

 ・鹿島のシステム変更に対して、チームとしての守備が機能しなかった。チームとして、どう守るのか意思統一ができなくなっていた (ドゥトラの中央のケアとサイドに振られたときの対処方法など)
 ・ボランチ2枚がイエローを貰っていたので厳しくいけなかった。

 丸橋の言葉から見えてくるのも、2つ。

 ・後半は、体力的に厳しいものがあった
 ・相手の勢いに対して、後手に回って全体が見れなくなっていた


 蛍は、舵取り役であるボランチの位置から、丸橋は、狙いどころとされた選手として、それぞれ「チームとしての守備や状況」が見えてきます。
 
 
 後半の守備について、バタついていたのは選手のコメントからも間違いないと思います。

 セレッソは、そのバタつきを修正することができず、最後には逆転を許す結果となってしまいました。



 前半の内容からして、非常に悔しくもあり、勿体ない、という思いはあります。

 ただ、セレッソらしい とも思いました。


 これが、守備的な文化を持つチームなら、後半にリズムを失ってからは、なりふり構わず「守り」に入っていたと思います。

 CBを1枚増やして5バック気味にして、人海戦術で自陣の中央を固めるやり方もあったと思いますし、ラインを落として、完全に2ラインのブロックを作って守るやり方も、方法論としてはあったと思います。
 結果はどうなったかは別として。


 ただ、セレッソは、攻撃的サッカーを掲げ、攻撃にタレントを要する攻撃に自信を持つチームだからこそ、1点差になってばたついても、同点にされても、「点を奪うこと=勝ちにいくこと」に最後まで拘っていたと思います。

 攻撃に自信のないチームなら、蛍の言葉を借りれば、ブランキーニョは監督やチームメイトに指示されるまでもなく、帰陣して労を惜しまず守備をしていたと思います。そういう約束事でチームが作られていたと思いますから。


 ソアレス監督は、ここまで、『ドローでも良し』の采配はしてないと思います。

 最後まで勝ちにいって、結果として引分になった試合はありますが、『リスクを負ってでも最後まで攻める』采配をしているように感じます。


 「セレッソ大阪」というクラブを考えた時、この敗戦は受け入れなければならないんだと思います。

 攻撃的サッカーを求めてきたのだから、こういう負け方もあるということだと。

 そういうサッカーを望んできたのだから。

 事実、昨シーズンは、逆パターンで勝利してきたこもあった訳で。
 ほんの僅かな差で、結果として、「勝点0」と数字には何も残らないこともあるということなのかなと。



 攻撃的サッカーを掲げ、攻撃力に自信を持つクラブだからこそ、この内容での敗戦だと思うのです。


 「セレッソ大阪」の誇り高き負け。



 そう思いながら、悔しい想いを沈め、眠りにつきたいと思います。


 ありがとうございました。