家の空気が重い事はなんとなく気がついていた。
両親と子供達で過ごす事は少なかった。
祖父母と子供達。
父もしくは母と子供達。
いつしかそれが当たり前になっていた。

母は厳しい人だった。
ある日、幼稚園の鞄を今に置いたままにして遊びに出かけた。
帰ってみると、鞄は外のゴミ箱に捨てられていた。
いらないから置きっぱなしなんでしょ。
そういわれた。

父は優しかった。
夜1人でトイレに行くのが怖いと言うと、ドアの外でずっと歌を歌ってくれた。
毎晩、寝付くまでお話をしてくれた。
色々なところに連れて行ってくれた。

そういえば、母との会話は殆ど記憶にない。
今なら分かるのに。
当時は気がついていなかった。