あらすじ
聴覚障害を持つ少女、西宮硝子は、小学生時代に転校先でいじめに遭います。いじめの主犯である石田将也は、硝子の補聴器を壊すなどの行為でクラスから孤立し、自分もいじめの対象となります。
数年後、高校生になった将也は、過去の罪悪感に苦しみ、自殺を考えるほど追い詰められていました。しかし、硝子に再会したことで、彼は彼女に償いたいという強い思いを抱きます。再び友人となった二人は、互いに心の傷を癒しながら、新たな関係を築いていきます。
製作国:日本 上映時間:129分
監督
脚本
原作
主題歌/挿入歌
出演者
評価 ★★★★★★★☆☆☆
つぶやき
耳が聞こえない主人公・西宮硝子の視点から物語が進むことで、彼女が日常生活で直面する孤独やコミュニケーションの壁がリアルに描かれています。彼女が他者との間で感じる深い孤独や不安が心に強く響きます。硝子が自分自身と他者との間で様々な試練に直面しながら成長していく過程は、見ている人に様々な感情を呼び起こします。
物語の中心には、硝子と彼女に関わる少年・石田将也の関係があります。二人の間には過去の過ちや葛藤がありながらも、互いを理解し合い、成長していく様が描かれています。特に、将也の内面の変化や成長が、物語全体に深みを与えています。彼らの関係が時間と共に変わっていく様子は感動と共感を呼び起こします。また、周りを取り巻く人たちへの影響や彼らの変化も実に丁寧に描かれています。
また、京都アニメーションによる美しいアニメーションと緻密な演出も作品の魅力の一つです。キャラクターたちの表情や背景、手話の表現などの描写には細部にわたる配慮が感じられ、物語の雰囲気や登場人物の感情を深く理解する手助けをしてくれます。
総じて見事なアニメーションと深い感情描写が見事に融合した作品であり、観客に心に響く感動と共に、考えさせられる時間を提供してくれます。耳が聞こえないという特殊な状況を通じて、普遍的なテーマであるコミュニケーションの重要性や、過ちからの成長と赦しの大切さを深く考えさせられる作品です。