ふと
机を離れ
気分転換に
外へ行きたくなった
もう遅いので
家族は
みんな
夢の中
起こさないように
静かに
外へ向かう
玄関を開いた
視界を
隙間なく埋め尽くす
雪
外は
まっしろ
モノクロの世界
音もなく
雪が
舞い降りていた
呼吸の中に
入り込む勢い
音もなく
静かに
舞い降りる
しんしん
と表現した人がいた
まさに
その情景
思わず息をのんだ
しばし
瞬きもせず
見守る
足下が
突然
宙に浮いた
雪が降る
違う
自分が
その中を
上ってゆく
なんの抵抗もなく
すーっと
雪の中へ
昇ってゆく
ドキッとした
その流れは
安定していた
風もなく
不快感もなく
静かに上昇し続ける
暖かい
安心する
この居心地の良さは
なんだろう
・
・
・
・
・
今
一輪の花が
咲こうとしていた
人々の
悲しみ
哀しみ
哀れみ
怒り
喪失感
焦燥感
寂しさ
淋しさ
すべてを
吸い込み
この花は
咲こうとしていた
それが
満ちたとき
この花は
咲き誇る
世の中すべては
まっしろになり
氷河期を迎える
すべての
苦痛を
吸収し
次の世界へ
導く
その花が
枯れるとき
新たな世界が
はじまる