大阪都構想の住民投票の結果、反対多数で否決されました。2015年5月17日の否決に続き、2020年11月1日、再度否決された形です。
橋下さん、松井さんが知事・市長の立場で二重行政の解消に努力したので、二重行政の問題がかなり解消されていた、ということが巷で言われていますが、橋下さん自身もそれを認めています。かつて大阪府と大阪市の二重行政は「病気」の状態にあり、維新の会がその病気を治すために「薬」をうち続けたために、皮肉にも現時点で大阪市民は弊害を実感していないところまで病気が治っていたのでは、という見方です。
https://www.youtube.com/watch?v=QjNKh_p4urI
京都大学の藤井聡教授は、次のように話しています。
・そもそも大阪「都構想」というのは、大阪市の廃止(+特別区設置)であって、大阪市を潰すかどうかの選択である。
・維新を支持するか否かと、今回の住民投票に賛成するか否かは全く別の問題。
・今回の住民投票では、「二重行政の弊害」、「行政サービスの低下」が論点となる。
・松井氏は2015年以前の時点では、二重行政の解消により年間4000億円の支出が削減できると言っていたが、市の職員が精査すると30年で4000億円程度の削減効果があるということになり、最終的には年間数億円~20億円程度の削減、というところに2015年の時点で落ち着いた。
・2015年から現在までに二重行政の解消が進んだので、現時点で二重行政の問題は完全に無くなっているため、もはや大阪市を廃止するメリットはない。松井大阪市長自身も、最近の市議会で「もはや二重行政は存在しない」というような発言をしていた。
・逆に、大阪市を廃止すれば、行政サービスの低下が起こる。「大阪都構想」では、大阪市を廃止したあと4つの特別区から年間2000億円を大阪府に吸い上げ、残ったお金で4つの特別区の行政を行うという構想となっている。とすれば、大阪府は大阪市以外の地域も管轄するのであるから、大阪市から取り上げた2000億円を、大阪市以外の市の行政に充てることは明らかである。したがって、大阪市の行政サービスは低下する。
・さらに、4つの特別区を作ることにより、区議会、区役所などの建物をはじめ、最低限200億円の初期コストがかかる。またランニングコストとして年間30億円かかる。また、4つの区に分割することで、各区を調整する無駄な業務が新たに発生する。このことから行政サービスは確実に低下する。
・行政サービスが低下することにより最も懸念されるのが、防災力が低下すること。南海トラフ地震や淀川の氾濫などに対応できなくなるおそれがある。
・ではなぜこのようなデメリットしかない都構想を提起したのかというと、維新の会が実績を作って今後の選挙を有利に戦うための選挙活動として行っていると考えざるを得ない。
・維新は、大阪市議会で単独過半数を獲れないので、大阪都構想の住民投票を行うために、公明党に都構想に賛成するよう依頼した。その見返りとして、公明党の候補者が立候補する選挙区に維新の候補者を立てない、という密約を交わした。その結果、都構想に反対する運動をしていた創価学会との間で確執が起き、公明党支持者の6割が都構想に反対している状況。
・維新は、外国企業に日本に投資してもらって日本を発展させるため、投資の障害になる規制を撤廃したいと思っている。そもそも「維新」=「改革」の意味である。維新はグローバリスト・新自由主義者側に立っているため、維新が党勢を伸ばすと、自民党と結託してさらに新自由主義の政策が進むことになる。(カジノ設置など)
・今回の都構想が可決すると、論点の議論はそっちのけで政治的プロパガンダが上手ければ政策を通すことができるということを証明してしまう形になり、今後の日本の民主主義に悪い影響を与える。
https://www.youtube.com/watch?v=lDVm06pEG8Q
結果として、都構想は否決されたわけですが、それで良かったと個人的に思います。藤井教授が言うとおり、新自由主義、グローバリズムがこれ以上日本国民を苦しめることは到底許されません。
菅政権が、竹中平蔵、デービッド・アトキンソンなどと組んで日本の中小企業を殺し、グローバリストたちに莫大な利益を与える一方で、日本国民をさらに貧困化させようとしていますが、日本国民は連帯して反対の声を上げ、私たちのかけがえのないコミュニティを守り抜く必要があると思います。
都構想の否決は、日本が経済復興し、独立を取り戻すための一筋の希望にも見えます。

