今月の『裏表太閤記』二幕の幕切れは本水仕様の滝の場面がございます。
一昨年の『東海道中膝栗毛 弥次喜多』でも本水仕様がございましたね。


先日のコメント欄で猿翁旦那が本水に入られた演目は何があるでしょうか?
と云うようなご質問を頂きました。


私は早合点をして『新・三国志』シリーズなどと書きましたが、
確かに本水仕様の場面はございましたが、これは四代目猿之助さんが
入っていたので猿翁旦那ではありませんでしたね。
あくまでも、旦那が演出された舞台での本水でした。


改めて猿翁旦那が本水を使われていたのはいつか調べてみました。

遡ると『雙生隅田川』や昔の『獨道中五十三驛』などがございますが、
最後の本水仕様の演目は2000年7月歌舞伎座の『宇和島騒動』でした。

この時に中村米吉さんが初舞台を踏まれておりますね。

そう考えますと、随分経ったものです。

 

この時の旦那は、60歳そこそこのお年でした。


昨年亡くなられた猿翁旦那が舞台に立たれなくなってから
随分時が流れましたので、前後の記憶が曖昧になっておりました。
というよりも、旦那とご一緒していた舞台が あまりにも強い印象が

あったためか、どうしても つい最近までと云う気がして

その間の時間の経過が、肌感覚と乖離していると申しましょうか(笑)


私も本水はよく入っておりましたのでつい猿翁旦那と、
と思ってしまいました。

私が入った最後の本水のお芝居は先に書きました一昨年の

『東海道中膝栗毛 弥次喜多』の役人 二輪草三郎でした(笑)

年甲斐もなく幸四郎さんと猿之助さんと「本水バシャバシャ」は
なつかしいいい経験でした。

旦那の本水記録を、10年ほど上回った事になりますね(笑)


私ももう年齢的に舞台では本水には入れません(笑)
あの時は本当に楽しい舞台でした。