今月の『裏表太閤記』は歌舞伎の演目の色んな場面のいいところが
活用されております。

これは猿翁旦那の慧眼なのですが・・・。


その昔、私がまだ学生の頃 大阪ではなかなか歌舞伎がかからず

歌舞伎を見るために東京に行く交通費も入場料も高いので
見られませんでした。

また『義経千本桜』の通し狂言が出ても3階席で昼夜を見るだけの
おこづかいがありません

そんな私が厳選してでも見たいのは「鳥居前」と「吉野山」と「四の切」なんだけどなあ。
と思いながらも昼のアタマとキリ、そして夜のキリ狂言。

誰でも持つこの不満を猿翁旦那は解消されて『義経千本桜 忠信編』を
作られました。

そしてこの演目はヨーロッパ公演まで実現されました。

お客様がご覧になりたい演目、猿翁旦那の発想はここに基づきます。

「仮名手本忠臣蔵」と「四谷怪談」をミックスさせた『四谷怪談忠臣蔵』
「伽羅先代萩」を書き直した『慙紅葉汗顔見勢 伊達の十役』
早替わりや猫化けの登場する『獨道中五十三驛』等々。

今回の『裏表太閤記』もそうですが、本来の『時今也桔梗旗揚』の
「馬盥」「愛宕山」の場面が序幕の一場面に凝縮されております。

旦那が作られてから さらにコロナ禍を経た事により、
ますます 今は長い時間のお芝居は受けないのかも知れません



そこで私の発想も一つ(笑)

演目ではありませんが、興行として「明智光秀編」と云う事で

一、『時今也桔梗旗揚(馬盥)』
二、『太功記十段目 尼崎閑居の場』
三、『小栗栖の長兵衛』 

これをうまく書き直しての通し狂言、・・・誰が書き直すんや?
でもあまり当たりそうにありませんね(笑)
難しいなあ(笑)