今月の名古屋御園座『ヤマトタケル』の筋書きに原作者であられた
梅原猛先生の「作者のことば」が掲載されております。

38年前の初演時の思いがヒシヒシと感じられる文章です。

そのまま上演すると10時間にも及ぶ脚本、それを猿翁旦那が
4時間程度にまとめた経緯。

初演時には果たしてこの演目があたるのかどうか?

と、云う不安な中で38年後にまさか古典として猿翁旦那のお孫さんの
團子さんが『ヤマトタケル』を主演するとは梅原先生も猿翁旦那も
思いもよらなかった事でしょうね。

初演時はまだ生まれてもいなかった團子さん


本来の今月はスーパー歌舞伎として『鬼滅の刃』を上演する筈だった御園座公演。
いろんな出来事により『鬼滅の刃』は中止せざるを得ませんでした。


歴史に「たられば」はありませんが、もしそうであったとしたら
團子さんの『ヤマトタケル』はもっともっと遅い上演となった事でしょう。

何が不幸で何が幸いかわかりませんが、梅原先生も猿翁旦那も
予測のつかなかった團子さんの『ヤマトタケル』の好演を
喜んでおられる事でしょうね。