今日は29日ですから、歌舞伎座ではまだ1月公演のお稽古がつづいている事でしょう。
おそらく明日もどれかの初日通りの舞台稽古をしている筈、
私が1月公演に出ている時はいつもそうでした。


ふりかえると私が東京の歌舞伎座にはじめて出演したのは1976年3月でした。
今から47年前、24歳の時でした。
もちろん今の歌舞伎座ではなく旧歌舞伎座です。

演目は、昼の部
「女車引」     田之助 澤村藤十郎 東蔵
「奥州安達原」   猿之助(猿翁) 扇雀(坂田藤十郎) 段四郎 
「茨木」      延若  富十郎
「紙屋治兵衛」   扇雀(坂田藤十郎) 先代雀右衛門  延若 富十郎

夜の部
「盛綱陣屋」    延若 扇雀(坂田藤十郎)猿之助(猿翁)富十郎
「紅葉狩」     先代雀右衛門  猿之助(猿翁) 富十郎
「雪昨夜入谷畦道」 富十郎 先代雀右衛門  段四郎
                          (敬称略)

思えば凄いメンバーで、今では鬼籍に入られた方も多くなりました。

私はまだおもだかや一門ではなく上方歌舞伎に所属していて坂田藤十郎さんの
お手伝いをしながら「盛綱陣屋」の軍兵と近習に出ておりました。

どの舞台を見ていても楽しく勉強になり見飽きる事がありませんでした。
今でも目に焼き付いており、いい舞台を見せて頂いたものと思っております。
  

私的には歌舞伎座に出演と云う事で築地のホテルに宿泊しておりましたが
困ったのは今と違ってコンビニも無ければ夜遅くに食事ができる所もありません

私のお給料はまだ安いですし 何を買うにしても銀座は高いです、
当時はお店が閉まるのも早くて難儀した事を覚えております。

酒屋は閉まってますし、自動販売機さえありません

ビール一本を買うにも困りました。

 

そう云えば、ホテルの冷蔵庫からして、物を入れる所がなく、入っているものを

抜いたら課金されるあれ・・・しかも高い高い。

本当に困った事を覚えております。



そこへ行くと今は歌舞伎座界隈でも立ち食いのそば屋さんもありますし
夜中に食事できるところもたくさんありコンビニでも夜中に何でも買えますね。

今の若い人は不便と云う事を知らないかも知れません

歌舞伎座界隈の時代の流れも一番見てきた世代かも知れません

古かったですが良き時代の歌舞伎座、今は新しくなった歌舞伎座で
そんな初春歌舞伎の幕ももうすぐ開きますね。
新年は自宅で初春歌舞伎の舞台をテレビで見せてもらいます。